【コラム】韓国の「中国傾斜」、日本の批判は正しかった

ソウル・明洞で寂しく響く中国語の呼び込み

中国人が姿を消した明洞は今日の韓国の自画像

 10年ほど前までなら日本にこのような人は多かっただろう。「日本と北朝鮮がサッカーの試合をすると、韓国人はほとんどが北朝鮮を応援する」と話すと「失望した」と言う日本人もいた。「民族とイデオロギーに対して韓国人には二重の考え方があり、そしてその根源にはかつての日本による支配というつらい歴史がある」と説明しても、日本人には理解できないようだった。韓国政府が「東北アジアのバランサー論」を掲げると、日本人は「米中のバランサー? 韓国は米国の同盟国じゃなかったのか」と言って驚く。日本も米国の同盟国だ。同盟を維持する以上、日本はそんな夢物語など考えもしない。今振り返ってみると、このように原則を重視する日本の考え方の方がわれわれよりも正しかったようだ。


 ここ数年、日本は韓国が話題になると必ず「中国傾斜論」を指摘した。韓国の立ち位置が少しずつ中国側に寄り始めているという意味だ。韓国の大統領が一昨年、中国・北京の天安門に上がった時がおそらくその絶頂だったのではないだろうか。日本は同盟の原則を重視するが、われわれは日本こそ韓米関係に亀裂を生じさせていると考えた。両国の識者が席を共にして議論する場を取材すると、日本側は必ず韓国の中国傾斜を指摘したが、そのたびに記者は「少しばかりの経済的な利益を手にするためではない。統一のためだ」と反論した。しかしこのような訴えは誰にも響かなかった。米国人や日本人はもちろん、中国人もこの主張には耳を傾けなかった。統一について真剣に考えるのは韓国だけだった。孤独だった。韓国の言い分は「強大国のゲームに巻き込むな」という叫びでもあった。一昨年、われわれが「統一を実現するため大統領が天安門の上に立った」と主張した時、その後ろで中国は腹を抱えて笑っていただろう。それを考えると今でも恥ずかしい。ところが中国はわれわれに対するとき、表向きはこちらの言うことなら何でも聞いてくれそうな雰囲気だったのは確かだ。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
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