サッカー:絶好調の日本代表をうらやむ韓国サポーター

 サッカー日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督(64)=ボスニア・ヘルツェゴビナ=は2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の序盤、「風前のともしび」だった。

 15年に就任したが、W杯2次予選のシンガポール戦に0-0で引き分け、東アジアカップ(韓国・中国・日本・北朝鮮が出場)で最下位になり、窮地に追い込まれた。そして16年9月にホームで行われたW杯最終予選の初戦アラブ首長国連邦(UAE)戦で1-2と衝撃的な負けを喫し、更迭の危機に陥った。

 当時の日本代表チームは「監督交代」を真剣に検討した。しかし、それから半年が過ぎた今は状況が違う。日本はUAE戦以降のW杯最終予選6試合で5勝1分を記録、勝ち点16でB組1位に立った。あちこちからハリルホジッチ監督に対する称賛の言葉が聞こえてくる。この半年の間に何が起こっただろうのか。

 大逆転はハリルホジッチ監督の「構造改革」で始まった。ハリルホジッチ監督は辞任の圧力がかかっていた昨年11月、B組最強チーム・サウジアラビアとの試合を前に、日本代表の2本柱・香川真司=ドルトムント=と本田圭佑=ACミラン=を思い切って先発メンバーから外してしまった。

 以前なら想像もできないことだった。2人は韓国で言えば孫興ミン(ソン・フンミン)と奇誠庸(キ・ソンヨン)と同じくらい中心的な選手だ。その時、ハリルホジッチ監督は「走れない選手はいらない」という方針を打ち出した。

 香川と本田は所属チームで試合にほとんど出場できず、試合感覚が鈍っている状態だった。特に本田は体力も落ちて深刻な不振に陥っていた。日本のメディアさえ懸念したハリルホジッチ監督の思い切った決断は、勝利という形で返ってきた。2人の代わりに試合に出場した選手たちが大活躍し、日本がサウジに2-1で勝った。

 思い切った決断によりハリルホジッチ監督はもう一つの結実を見た。代表チームに「不動のレギュラー」はいないというシグナルを選手たちに発したことだ。それ以降、日本代表チームには「誰でも出場する可能性と外される可能性がある」という雰囲気になったという。これは、チーム内の健全な競争と選手たちの徹底した体調管理につながった。

 日本の劇的な逆転を最もうらやましげに見ているのは韓国のサポーターたちだ。ウリ・シュティーリケ監督(62)=ドイツ=が率いる韓国代表チームは最終予選で終始、もどかしく不安なプレーを見せている。思い切った改革によりチームを建て直したハリルホジッチ監督とは違い、シュティーリケ監督は逆転のきっかけすら見つけられずにいると言われている。

イ・テドン記者
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