作家・佐野洋子と韓国言論人が交わした友情 書簡集刊行

【ソウル聯合ニュース】日本で韓国文化を広める活動を行ってきた出版社のクオンが「日韓同時代人の対話シリーズ」第2弾として「親愛なるミスタ崔 隣の国の友への手紙」を刊行した。世界的ベストセラーの絵本「100万回生きたねこ」の作者で作家の故・佐野洋子氏と、韓国の延世大新聞放送学科教授、韓国言論学会会長などを歴任した崔禎鎬(チェ・ジョンホ)氏が40年近くの間手紙を交わし、人生と哲学を語り合った友情の物語だ。

 同書には2人が1967年にドイツで留学生として出会ってから、帰国後の2005年までにやり取りした内容が収められている。

 クオンの金承福(キム・スンボク)代表は6日、聯合ニュースの電話取材に応じ、「言論界の大物で学者として生きてきた韓国の男性と、軽快で飾らない話法で読者をとりこにしてきた日本の女性作家が国籍と性別を超えてさまざまな話を交わし、交流してきた内容だ」とし、「反日・嫌韓感情で両国の関係が行き詰まっているというが、価値観や考え方が違っても立派に友情を交わすことができることを示す事例だ」と紹介した。

 佐野氏は日本で約170冊の著書を出版し、韓国でも約20冊が翻訳された。このうち「役にたたない日々」「死ぬ気まんまん」などのエッセーは韓国でもベストセラーになっており、幅広い読者層を持つ。

 崔氏は韓国日報、東亜日報などの記者を経て、大学で後進の育成に当たってきた。

 同書の末尾で崔氏は佐野氏とのゆかりを詳しく紹介し、「彼女は世界を画家の目で見て、人生を画家の姿勢で生き、非情で澄まし屋で不敬で、タブーに挑戦し、しゃれっ気といたずらっぽさがあふれ、結局は自由だった作家」と称賛した。

 生前に2度の結婚と離婚を経験した佐野氏は、数多くのエッセーで韓国人「ミスタ崔」について言及した。

 崔氏は男女を越えて最も話が通じる知人として、時には友人として、また懐かしさの対象として描かれた。2人は互いを通じて両国を理解し、日本による植民地支配など過去の過ちを繰り返さないために努力しようという共通認識を持っていた。

 崔氏は、個人がやり取りした手紙を本にした理由を「佐野氏特有の軽やかな文体と流麗な語り口は書簡文学の神髄を見るようで、広く伝えるべきだと判断し、これを通じて両国の読者が相手の国をさらに深く理解する手助けになることを願う心からだ」と述べた。

 同書の冒頭に収められた、佐野氏の2番目の夫で詩人の谷川俊太郎氏が崔氏との出会いをモチーフに書いた「隣の国の男」という詩は、お互いが違って見えても両国は近い隣人であることを強調している。

 金代表は「刊行後、日本のメディアで読者が知りたがっていた崔氏の正体が明らかになったと紹介され、話題になった」とし、「近く韓国語にも翻訳して紹介する計画だ」と述べた。

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