ペットの死骸はごみなのか、韓国で論争

 このようなことが影響し、行政機関の正式な許可を受けていない無許可の動物葬儀施設も相次いで建設されている。業界によると、現在全国に正式な許可を受けた動物の葬儀施設は19カ所存在しているが、無許可の施設も17カ所に上っている。無許可の企業は取り締まりに引っ掛かっても罰金を支払いながら運営を続けている。ある動物葬祭業者の関係者は「無許可の業者の場合、汚染物質の排出基準をしっかりと守っているかどうか分からず、環境汚染も懸念される」という。

 動物の葬儀施設の不足により、死骸を不法に処理するケースも増えている。農林畜産食品部によると、毎年出る犬や猫などのペットの死骸は15万匹と推算されている。このうち、葬儀施設で処理されるのはわずか2万匹にすぎない。

 今年3月、12年間育てた愛犬「マルチーズ」が死んだチョンさん(29)は「家の辺りに愛犬の火葬場がなかったため、違法であることを知りながらも近くの山に埋めた」と話す。現行法上、動物の死骸を個人が焼却したり地面に埋めたりすることは違法だ。葬儀施設を利用しない場合、主人は動物の死骸をごみ袋に入れて捨てなければならない。民法上ペットは「品物」と位置付けられているためだ。動物病院に委託する方法もあるが、この場合も各種の廃棄物と共に焼却される。チョンさんは「長く育てた子犬をごみのように捨てられるわけがない」と首をうなだれる。

 済州道に住むイさん(52)は、育てた子犬が死んだが、死骸を処理する施設がなく、腐敗を防ごうと冷凍庫にしばらく入れておいた。イさんは「3日間動物の葬儀施設を探したものの、結局見つけることができず、野山に埋めた」と話す。現在済州には動物の葬儀施設が一つもない。韓国社会問題研究院のヒョン・テクス院長は「まだ動物の葬儀施設を『共益施設』として認めるほど社会的コンセンサスが十分に形成されておらず、葛藤を呼んでいる」とした上で「しばらくはペットに関する社会的葛藤がさらに増えることが予想されるため、対策を講じる必要性がある」と説明した。

キム・ミンジョン記者 , オ・ロラ記者
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