【コラム】「隣家のリビングで自殺」する北朝鮮

【コラム】「隣家のリビングで自殺」する北朝鮮

 2006年7月4日、北朝鮮は模擬弾頭を積んだミサイル7基を同時多発的に発射した。このうち2基は、米国フロリダからスペースシャトル「ディスカバリー」が打ち上げられてからわずか数分後の発射だった。ミサイル7基という数字は、当時メディアが推定していた北朝鮮の核兵器保有数と一致していた。北朝鮮は、ディスカバリー打ち上げを「発射スイッチ」として用いた。スペースシャトルの打ち上げを北朝鮮に対する先制攻撃と仮定し、それに対応するミサイル2基を発射した。

 北朝鮮が送ったメッセージは、もし米国が北朝鮮を攻撃したら、韓国と日本が直ちに報復攻撃を受ける、という脅迫だった。北朝鮮のデリケートな内部情報を取り扱っていた高官クラスの脱北者も、北朝鮮の核ミサイルの第1次攻撃目標はソウルと東京だと語っている。

 北朝鮮は「明日がない」シナリオを書いている。瀬戸際戦術だ。失うものがない相手とは決して戦ってはならない、というのが戦史から導き出される教訓だが、北朝鮮はこの教訓を逆用している。北朝鮮は、核兵器をさく裂させなくとも、事実上核を使っている。金氏一族の存立を韓国・日本の安全保障と強引に結び付けるかのような計略を並行させている。

 イェール大学のポール・ブラッケン教授は、北朝鮮がやっていることは北東アジアという豪華な大部屋で自分の頭に銃を向け、「引き金を引く」と脅しているようなものだと語った。本当に引き金を引くと部屋全体がめちゃくちゃになるので、相手は北朝鮮を手荒に扱わず、後ろに下がっているという。いわば「隣家のリビングで自殺する」ということだ。

キム・グァンイル論説委員
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