韓国政府 会談提案通じ南北通信ルートの復旧促す

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は17日、北朝鮮に対し南北軍事境界線付近での敵対行為を中止するための軍事当局会談と、南北に別れて暮らす離散家族の再会に向けた赤十字会談を提案し、南北間の通信ルートを復旧させる意思を示した。

 韓国政府は「北が肯定的に応じることを期待する」とし、軍事会談に関しては黄海地区の軍通信線を通じ、赤十字会談は南北赤十字の連絡事務所を通じ、それぞれ回答するよう求めた。

 韓国統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官もこの日発表した報道資料で「南北間の緊張緩和と懸案問題を協議していくためには、板門店の南北連絡チャンネルと黄海の軍通信線が早急に正常化されなければならない」として、北朝鮮に通信ルートの正常化を促した。

 北朝鮮は昨年2月、韓国政府が北朝鮮との経済協力事業である開城工業団地の全面的な稼働中断を決めたことを受け、南北を結ぶすべての通信ルートを絶っている。

 韓国側は通信ルートが途絶えた後、北朝鮮に伝えることがある際には軍事境界線がある板門店でハンドマイクを使用しなければならなかった。

 この日の両会談の提案も、国防部と大韓赤十字社は北朝鮮に直接通知文を送ることができず、メディアを通じて発表する形式を取るしかなかった。

 政府当局者は「現在はわれわれが直通電話で通話しようとしても北朝鮮側がスイッチを切っており、応答がない状況だ」と説明した。

 この当局者は「南北の対話が再開しなくとも、南北間の連絡チャンネルは最小限の意思疎通の窓口だ」とし、「今回の提案にどのような回答があっても、連絡チャンネルが復旧されればそれだけで意味がある」と述べた。

 板門店のホットライン(直通電話)は、事実上南北間の初会談だった赤十字会談から始まった。1971年8月、大韓赤十字社の崔斗善(チェ・ドゥソン)総裁(当時)が南北赤十字会談を提案し、同年9月20日に開かれた第1回南北赤十字予備会談で意思疎通のルートの必要性に同意した南北双方は、2日後に板門店の韓国側の「平和の家」と北朝鮮側の「板門閣」の間に電話2回線を開設し、通話を開始した。

 ホットラインの開設後、赤十字会談が本格化すると南北の赤十字社は板門店に代表部を設置し、本格的な南北対話時代を開いた。

 南北間のホットラインは、76年8月にポプラの木を切ろうとした米兵2人が板門店で北朝鮮兵によって殺害された「ポプラ事件」と、韓国海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を受けて2010年5月から実施された対北朝鮮制裁措置(5・24措置)などで南北関係が悪化した際に途絶えたこともあったが、南北間の意思疎通のためのインフラとしての役割を果たしてきた。

 一方、南北の軍通信線は計9回線が運用された。東海地区と黄海地区の通行を管理するための通信線各3回線と、黄海上での偶発的な衝突を防止するための通信線3回線だ。

 しかし、東海地区の通信線は08年の金剛山観光事業の中断後に閉鎖され、偶発的な衝突防止のための通信線は回線の老朽化で08年5月5日以降、全てつながっていない。

 かろうじてつながっていた黄海地区の軍通信線は開城工業団地の関係者の出入りを管理するための回線で、南北軍当局間の意思疎通の窓口の役割をしてきたが、同団地の閉鎖以降は完全に遮断された。

 韓国政府の要求に対し、北朝鮮が素直に通信ルートの復旧に乗り出すかは未知数だ。ささいなことまで対話カードとして活用する北朝鮮の慣行を考慮すると、開城工業団地の操業再開など自国が望む他の事案と結びつけようとする可能性がある。

 韓国国家戦略研究院のムン・ソンムク統一戦略センター長は、「われわれは通信線を連結して回答するよう要求したが、北朝鮮が通信線をおとなしく復活させはしないだろう」との見解を示した。

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