韓国社会の実態とかけ離れた最低賃金引上げ決定

韓国社会の実態とかけ離れた最低賃金引上げ決定

 韓国政府が来年の最低賃金を今年よりも1060ウォン(約106円)引き上げ、7530ウォン(約751円)とすることを決定したが、現実的には業種や地域によって賃金格差がある。本紙が16、17の両日、全国のコンビニエンスストア、インターネットカフェ、コーヒーショップなどの零細業者100カ所を直接訪問または電話取材で調べた結果、実際の時給は政府の「法定最低賃金」ではなく、人材需給や周辺環境によって決まっている実態が明らかになった。

 ソウル市蘆原区のコンビニエンスストアでアルバイトしているKさん(24)は、先月から時給5800ウォンで働いている。今年の最低賃金(6470ウォン)に届かない水準だ。店主は「3カ月の試用期間が過ぎれば、最低賃金に近い給料を支払う」と話した。雇用契約には明記されていない。最低賃金法は1年未満の期間制労働者の場合、試用期間にも最低賃金を支払わなければならないと規定している。1年以上の長期契約の場合にのみ、試用期間(3カ月以内)には最低賃金を下回っても構わない。コンビニエンスストアや食堂などのアルバイトは大半が1年未満の短期契約だ。しかし、Kさんに特に不満はなく、「この町内のコンビニエンスストアのアルバイトでは自分の時給が最も高い。5800ウォンもらっていると言えば、皆が驚く」と話した。

 地方ほど時給は低かった。光州市北区のコンビニエンスストアで働くPさん(25)の時給は4500ウォン。今月初めに店頭に張られていた「時給応談」という条件を見て、面接を受けた。店主は「厳しい事情なので4500ウォンしか払えない。この町内のコンビニエンスストアでは大半が5000ウォン台後半だが、うちは客が来ないので暇だ」と話した。Pさんは「平日の正午から午後6時まで働き、合間に勉強しながら、月に100万ウォン余り稼げるので、大学生にしては悪くない」と語った。

 ソウル市江南区のコンビニエンスストアの時給は6700-7000ウォン。同じような仕事でも光州市北区とは1300ウォンの格差があった。江原道の19カ所では時給が6100ウォン台前半、慶尚南道統営市では5300-6000ウォン台前半だった。地域別の平均を見ると、ソウル市江南区を除けば、いずれも最低賃金を下回っている。統計庁の調べによると、2015年時点で最低賃金を受け取れずにいる勤労者は223万人に達する。本紙が取材したコンビニエンスストアなど100カ所のうち、最低賃金を支払えずにいる店舗は32カ所だった。最低賃金法に違反していることになる。最低賃金が上昇すれば、その割合はさらに増えかねない。光州市の全南大周辺のコンビニエンスストア店主は「商売がうまくいかず、時給を上げられない。やむを得ず法律を犯していることになる」と話した。

イ・スルビ記者 , チェ・アリ記者
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