「私は現人神」 女性信者死なせたエセ教祖拘束 /栄州

 2015年12月、慶尚北道栄州市内に住む男(40)は両親を通じて同じ教会に通っていたキムさん(49)=女性=と知り合った。キムさんは男に、別の教会に通っていた自分の姉(57)を紹介した。男はその後、実家やモーテルなどで妻やキムさん姉妹と頻繁に祈とう会をした。

 男は昨年9月、栄州市内のワンルームでキムさん姉妹と一緒に暮らし始め、自分がまるで教祖であるかのように振る舞った。男は「私は生き神だ」と自分を神格化した。また、信者たちを一日に2-4時間しか眠らせず、礼拝中の姿勢が悪かったり、問いに答えられなかったりすると、「悪魔に取りつかれて従順でなくなっている」と暴力を振るった。

 男はキムさん姉妹が借金などで用意した約1億ウォン(約1000万円)を奪って生活費にしたり、中古バスをキャンピングカーに改造して信者たちと山などで祈とう会を開いたりした。別の地域に住んでいたキムさん姉妹の男兄弟(56)も時々祈とう会に参加した。

 男は今年4月11日午後3時ごろ、キムさん姉妹の姉を浴室に連れて行き、水を浴びせながら約6時間にわたり殴った。その姉が死亡すると、男は遺体を両親、妻、キムさん、その男兄弟と共に車に載せ、慶尚北道奉化郡内の山に埋めた。

 男は姉の遺体を埋めて帰ってきてからも、「祈れば死んだ姉を生き返らせることができる」と言って信者たちを殴った。暴力に耐えかねたキムさんと男兄弟は先月6日、ワンルームマンションを脱出して江原道のモーテルを転々とした後、同月19日に釜山に行き、25日に警察に通報した。

 警察は先月30日、慶尚北道栄州市内で男の身柄を拘束した。男は拘束される時、別の女性宅で教祖だと称していたという。警察は、殺人などの疑いで男を拘束、事件の詳しい経緯や別の被害者がいないかなどを捜査する方針だ。

釜山= 権慶勲(クォン・ギョンフン)記者
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