【萬物相】朴槿恵前大統領裁判のテレビ中継

【萬物相】朴槿恵前大統領裁判のテレビ中継

 もう10年以上前のことだが、ある裁判を取材していた時のことだ。裁判官は少し退屈だったのだろう、たまに肩が揺れていかにも眠そうだった。しかし本人は何度か首を振って「居眠りが見られる」という危機的状況は乗り越えた。裁判官も裁判が長引けば眠くなるようだ。昔ある裁判官が真夏の法廷で眠気を振り払うため、椅子の下に氷を入れた洗面器を置き、足を漬けて裁判を行ったという逸話もある。その当時であれば裁判の様子がテレビで中継されることなど想像もつかなかったはずだ。

 先日、大法院(最高裁に相当)はある重要な裁判の一審と二審において、裁判長の裁量で宣告の様子をテレビ中継することを認めた。国民の知る権利を保障し、裁判に対する国民の理解を深めることが目的だ。裁判をテレビ中継することは以前から検討はされてきた。それが今年3月に憲法裁判所で大統領弾劾審判判決のテレビ中継が好評だったため、大法院もテレビ中継を認めたのだろう。中継が認められるのは宣告の時だけだが、それでも裁判所としては大きな変化だ。裁判における緊張も高まらざるを得ないだろう。

 大統領弾劾審判の判決が下される際、李貞美(イ・ジョンミ)裁判官は判決理由を正確に21分間かけて読み上げた。内容を正確に伝えると同時に、見る側の集中力を下げないため事前に決められた時間だった。李裁判官は判決を読み上げる際、時間を正確に合わせるため3回時計に目をやった。事前に練習したという話も伝えられている。国民から大きな注目が集まっていたこともあり、その緊張とストレスは非常に大きかっただろう。判決の日が近づくと、ある裁判官は周囲に「悪夢にうなされている」と打ち明けていたそうだ。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)論説委員
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