子どもを「情緒的虐待」する韓国のユーチューバーたち

 より多くの視聴者を獲得するために、大人が子どもに刺激的な行動を取るよう求める動画が多い。ある動画では、自称「母方の叔父」という大人が、6歳の子どもにわさびのお菓子とポテトチップをラーメンに混ぜて食べさせた。子どもはこれを食べるのを嫌がった。この動画は、50万アクセスを突破した。ある動画には、子どもが実際に自動車の運転席に座り、アクセルを踏み、運転させる危険なシーンが盛り込まれていた。

 こうした動画の視聴者は、ほとんどが出演している児童と同年代だ。あるエンターテインメント会社の関係者は「視聴者について調査したところ、インターネット・キッズ放送を見るほとんどが10歳未満の子ども」という。5歳の息子を持つチョさん(44)は「子どもが毎日見るユーチューブに同年代の子どもたちが出ているのを見て、教育的なコンテンツだと思っていたが、映像の中で子どもが虐待されていた」と驚きの様子を語っている。動画に出てくるスラングも問題だ。動画に登場する大人たちがスラングと悪口を乱発し、子どもがこれをまねているのだ。

 こうした動画に周期的にさらされることは、子どもには一種の「情緒的虐待」となる。慶煕大学児童家族学科のチョン・ギョンヒ教授は「子どもは初めのうちは精神的なショックを受けるが、その後は日に日に扇情的なシーンに慣れ、やがてまねするようになる」とした上で「結局これは子どもを情緒的に虐待することと何ら変わらない」と警鐘を鳴らす。海外は、児童がインターネット放送を通じて虐待を受けることに敏感だ。今年4月、人気のユーチューブ放送「ダディー・オブ・ファイブ」を制作する米国のある夫婦は、子どもをせきたてながら泣かせるシーンを放送したことで、二人の子どもの養育権を剥奪されている。

イ・ボルチャン記者
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