2014年3月にオバマ米大統領=当時=が米国の中・低価格ブランド「GAP(ギャップ)」ニューヨーク店で買い物する姿が話題になった。オバマ大統領はミシェル夫人のために青いスポーツウェアを、娘のためにピンクのセーターを選んだ。事実、ミシェル夫人は「GAP」や「J.Crew(ジェイクルー)」といった中・低価格の服をよく着た。キャンプ・デービッドの別荘に行く時はGAPの29.99ドル(約3400円)の青いワンピースを着たし、テレビのトーク番組に出る時はJ.Crewの既製服を着て出演し話題になった。
そのミシェル夫人が2012年、イギリスのバッキンガム宮殿で行われたエリザベス2世女王主催のレセプションの時は6800ドル(約76万円)の白いジャケットを着て来た。すると、「米国の世帯別の月平均収入4284ドル(約48万円)よりも高価な服を着て来た」と批判の声が上がった。トランプ大統領夫人のメラニアさんは今年5月、イタリアで行われた主要7か国首脳会議(G7サミット)の時、ドルチェ&ガッバーナの花柄のジャケットを着て非難された。その価格はなんと5万1500ドル(約580万円)だった。
ファーストレディーのファッションは、関連産業を活性化させる効果を生むこともある。中国の習近平国家主席夫人の彭麗媛さんは2013年にロシアを訪問した際、自国のファッションブランド「EXCEPTION de MIXMIND」の紺色のジャケットを着た。同ブランドはその年、中国の10代のファッションブランドで1位になり、「大陸の完売女」(着た服を完売させるほどファッションに影響力のある女性)と言われた。ファッション好きで知られるメイ英首相も自国ブランドの商品を愛用して全世界のファッション業界の注目を集めた。ミシェル夫人のファッションによる経済効果は年間27億ドル(約3032億円)に達するという研究結果もある。