【コラム】韓国人の精神的悪習を呼び起こす「積弊清算」政治

【コラム】韓国人の精神的悪習を呼び起こす「積弊清算」政治

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が数日前、国会で演説した。文大統領は「国家の存在理由」について3度言及した。まずは旅客船「セウォル号」とキャンドル集会で「国民が国家の存在理由について疑問を持った」と言った。「不正腐敗、不平等、不公正を撤廃してほしい」と言いながら「いくら努力しても個人の力だけでは決して乗り越えることができない現実について訴え掛けてきた」と言った。

 ある者は、セウォル号以前とは違った意味で、セウォル号以降の国家の存在理由について問う。政府の危機管理システムが故障していたし、遺族と国民の怒りは国家とは何なのかを問いただす方向へと増幅していった。同様の疑問はあふれ返り、本もたくさん発刊された。こうした風潮をうまく利用して誕生した文在寅政権は、もはや途中下車が許されない。なぜなら、これが政権誕生の根源となっているためだ。

 しかし、これだけは区別されなければならない。支持率が12%まで下がった盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が大韓民国そのものではなかったように、弾劾された朴槿恵(パク・クンへ)政権もやはり大韓民国そのものではないのだ。そして、これは大韓民国の現政権にも言えることだ。「キャンドル」が国家の存在理由を問うことはできても、大統領の演説文を作る「大統領府」はそれとは違った表現を用いるべきだった。厳密に言うと、問われているのは国家の存在理由ではなく、大統領の存在理由なのだ。

 文大統領は自ら国家の存在理由を説明した。「国家が自分の役割を果たしたとき、国民は決して希望を忘れない」「困難なときでも、国家はしっかりと守ってくれるという信頼を国民に与えるべき」とした上で、「それが国家の存在理由」だと言った。大きく的が外れているわけではない。大統領が国民の「苦しい生活」や「困難なとき」を理解し、慰めることはできる。

キム・グァンイル論説委員
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