【コラム】韓国人の精神的悪習を呼び起こす「積弊清算」政治

 しかし、政府と国家はまったく次元が違っている。政権には無理だとしても、国家は国民に血と汗と涙を要求することができる。過去の例を見ても、国を大きく成長させた指導者は、甘い言葉よりも先に困難を共に担っていこうと訴え掛け、国民を導いた。偉大な指導者は、国家が何かをしてあげるという約束よりも、まずは国家のために何ができるのかを国民に訪ねた。

 倫理よりも国家が先行するという「国家理性(raison d'etat)」の論争史を引き合いに出すつもりはない。それほど、暇でもない。今大韓民国の大統領は、「国家の存在理由」よりも「国家の存続条件」について悩むときだ。墜落なのか、繁栄なのか、絶滅なのか、永続なのか、こうした分かれ道が、激しい荒波のように押し寄せている。国民に向けられた国家の存在理由は時には相対的であり得るが、国家の存続は絶対的で数多くの困難な条件を乗り越えていかなければならないためだ。

 文大統領は演説で国家の存在理由について最後にもう一度強調した。「国家の存在理由を問う国民に誠実な姿勢で回答すべきだ」と話し「国らしい国をつくり、正義感あふれる国家をお返しする」と演説した。「全分野にわたって大韓民国を立て直す」と宣言した。「その間全ての責任を自らが担わなければならなかった国民に対し、これからは国家が国民の生活に責任を負う」と力説した。

キム・グァンイル論説委員
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