【寄稿】中国にも「NO」と言えなければ主権国家ではない

【寄稿】中国にも「NO」と言えなければ主権国家ではない

 韓国、中国、日本の外交戦が非常に熱い。トランプ大統領の滞在時間までどこがより長いとか短いとか言い出す始末だ。今回文在寅(ムン・ジェイン)政権は「コリア・パッシング」への懸念を払拭(ふっしょく)し「韓半島(朝鮮半島)運転者論」を納得させることに全力を傾けた。悪天候が原因で実現はしなかったが、トランプ大統領と共に非武装地帯(DMZ)を訪問しようとしたことも、その象徴的な意味合いは大きかった。トランプ大統領も断固たる姿勢を見せながらも節制した態度で国会で演説し、韓国政府の期待に応えた。

 今回の首脳会談では韓米同盟の揺るぎなさを改めて確認できたし、またその戦術的次元での成果は決して小さくない。しかし戦術的次元での細かい動きは「戦略的思考」という大きな枠組みがあって初めてその明確な意味あるいは意義が付与される。つまりマクロの観点から見た国家戦略がしっかりと描かれていなければ、ミクロの戦術が正しかったかどうか判断できないということだ。理想主義的な傾向の強い文在寅(ムン・ジェイン)政権の外交・安全保障政策も今後より現実的な国家戦略として描き直すことができれば、この国の将来にも期待が持てるようになるだろう。

 美しく正義に満ちた理想主義は確かに訴求力が強い。しかし現実的なビジョンや対策が欠如した理想論は空虚であり、時には危険でさえある。外交・安全保障の分野では特にそうだ。この分野で間違った方向に進むと国の存立自体が危うくなる。例えば故・金大中(キム・デジュン)大統領が進めた北朝鮮への太陽政策(宥和〈ゆうわ〉政策)は南北の共存共栄と韓半島の平和体制に向かう巨大な理想主義的ビジョンだったが、一方でそれは致命的な問題を抱えていた。北朝鮮で首領による唯一独裁体制が続く限り、開放や改革は絶対に受け入れられないという現実をあまりにも軽視したのだ。その結果、太陽政策は南北関係の厳しい現実の前に挫折してしまった。今なお悪化を続ける北朝鮮の核問題がその事実をまさに物語っている。

前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【寄稿】中国にも「NO」と言えなければ主権国家ではない

right

関連ニュース