【寄稿】中国にも「NO」と言えなければ主権国家ではない

 米国と中国の双方を同じように重視するという文在寅(ムン・ジェイン)政権の「バランス外交」も一見すると説得力があるように見える。文大統領は米中バランス外交について「米国との外交関係を重視しながら中国との関係もより分厚くするもの」と説明した。その外交・安全保障政策は対米関係、対中関係という2匹のうさぎを同時に手にするのはもちろん、東南アジアや欧州連合(EU)などにまで韓国外交の舞台を最大限広げることを目指すという。何よりも「バランス」という言葉が政策の正当性を担保するようにも聞こえるし、普通に考えても至極当然の理想論だ。しかし文在寅政権によるこの外交・安全保障政策はその美しくそれらしい言葉とは裏腹に、国際政治の現実の前ではあまりにも無力だ。

 まず中国は世界の強大国であり東アジアの覇権国だ。地域の覇権国とは国力の面で中国と対抗できる国がアジアに存在しないことを意味する。そのため世界の最強国であり欧米の覇権国である米国の存在感がこの地域からなくなってしまえば、アジア全体が中国の影響圏に入ってしまう。つまりアジア全体が中国の天下になってしまうのだ。南シナ海や東シナ海での紛争が示すように、中国はアジアから米国の影響力を排除し、米国を中国の勢力圏の外に追いやろうと全力を傾けている。一人支配体制を固めた習近平・国家主席が掲げる中国の戦略は「中華民族の偉大な復興」を意味する「中国の夢」であり、中国はこれを世界に向けて発信した。これに対して日本の安倍首相は「屈辱外交」などの批判を甘受してでも米国と完全に歩調を合わせ、これまで独自の外交を進めてきたインドも米国との連携に動きだしている。また東南アジア諸国も一斉に米国との関係改善を目指そうとしているが、その理由は全て各国に大きな戦略があるためであり、言い換えればそれは覇権国である中国が自国の安全保障を侵害することに前もって対処しようとしているのだ。

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