【コラム】文大統領の「コード人事」に群がる文化人・芸術家

【コラム】文大統領の「コード人事」に群がる文化人・芸術家

 先日大統領府本館で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が主席秘書官らと笑顔で記念撮影を行った写真が複数の新聞に掲載された。昨年光化門広場で行われた「キャンドル集会」をテーマに民衆芸術家といわれるイム・オクサン氏が描いた大型の絵画の前だ。その絵の中には「朴槿恵(パク・クンヘ)を逮捕せよ」「だまれ、OUTだ」などと書かれたプラカードも描かれている。大統領府を訪れた海外の首脳らも行き来する入り口に、このようにあからさまな言葉が書かれた絵画を設置することに品があると言えるだろうか。文大統領は今年5月9日夜、大統領選挙での勝利が確定した直後にソウル光化門広場で行った演説で「私を支持しなかった人たちにも仕える統合大統領になる」と語ったが、その様子は今も記憶に新しい。ところがその大統領が「政府の精神に一致した絵」などと自ら解説し、この絵画の前で堂々と記念撮影まで行った。もはや言うべき言葉も見当たらない。

 イム・オクサン氏は2012年と17年の大統領選挙でいずれも文大統領を公然と支持したことや、朴槿恵政権当時は文化芸術界のいわゆる「ブラックリスト」にその名が掲載されたことなどで知られる人物だ。光化門でのキャンドル集会にも姿を現し、ブラックリスト問題の真相解明を訴えるパフォーマンスも行った。このような人物の作品が今回、権力の心臓部とも言える大統領府本館ロビーに設置されたのだ。かつてのブラックリストも今や勝者の腕章のように見なされているだけに、この絵画が大統領府に設置された事実も非常にドラマチックだ。

文化部=金基哲(キム・ギチョル)部長
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