「中国の天安門事件 死者1万人以上だった」

機密解かれた英国の外交文書に記載

 1989年6月に発生した中国の天安門事件で、「死者が1万人を上回る」という証言があったと香港のインターネット・メディア「香港01」と米ラジオ放送「自由アジア放送」(RFA)中国語版などが20日、報じた。

 これらメディアは、英国政府が先月、機密扱いを解除した外交文書を引用、天安門事件に詳しい中国国務院の上層部の人物が「デモ隊を武力で鎮圧した時に死亡した市民・学生・軍人は1万人を超えていた」と証言したと伝えている。この文書は当時、中国にある英国大使館にいたアレン・ドナルド卿が本国に報告したものだ。

 この文書によると、6月3日夜に始まった鎮圧作戦は4段階で行われたという。瀋陽軍区第39集団軍が投入され、当初は武器を携帯せずにデモ隊の解散を試みたが、後にデモ鎮圧装備を使用、第3段階では威嚇射撃をするなど、鎮圧の強度を引き上げたものの、解散させられなかった。そして第4段階で山西省駐屯第27軍が投入され、デモ隊に向けて発砲したと書かれている。

 天安門事件の犠牲者数については、さまざまな説がある。当時の北京市長は「約200人が死亡し、3000人が負傷した」と証言した。中国赤十字社では、病院に運ばれてきた遺体を基準に犠牲者は2600-3000人に達したと見ており、米ホワイトハウスの機密解除文書では、中国の内部文書を引用して計1万454人が死亡したとしている。

チョン・ウヨン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい