韓国GM群山工場閉鎖、試される文在寅政権の雇用政策

 雇用を最優先の課題として掲げてきた文在寅(ムン・ジェイン)政権が、韓国GMの群山工場閉鎖という巨大な悪材料に直面している。与党・共に民主党内からも14日「文大統領が最も力を注いできた分野が雇用だが、今のところ解決策が見いだせず心配だ」などの声が出始めている。

 韓国大統領府は懸案点検会議で今回のGM問題について話し合ったものの、これといった対策は出なかった。大統領府のある関係者は「関係する部処(省庁)を通じて近く公式コメントが出されるだろう」と伝えた。ただ文大統領は「雇用大統領」を自認してきただけに、適切な時期に対策を提示しないわけにはいかない。これが文大統領にとって大きな負担になっているようだ。共に民主党のある関係者は「国民の税金で外国企業の腹を満たすことも、また大規模失業を傍観することもできない。大きなジレンマだ」と頭を痛めた。

 与野党は今回の問題で互いに責任を押し付けている。共に民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表は14日に行われた会議で「(保守系最大野党)自由韓国党は何かあれば必ず政府の責任と主張するが、今回の韓国GM問題はこれまで10年にわたる放漫な経営や企業運営を放置してきたことが原因」とした上で「地域経済や従業員の生活が懸かった問題を、政府を批判する政争の道具としか考えない自由韓国党の無責任な態度は問題解決に全くプラスにならない」などと述べ、自由韓国党を強くけん制した。

 また共に民主党は韓国GMに対し、放漫経営への反省と適切な対応を求めた。同党の姜勲植(カン・フンシク)院内報道官は「韓国GMは群山工場の撤収に言及しながら産業銀行に有償増資などを求めている」と明らかにし「従業員の雇用と地域経済を人質に政府を脅迫しているようなものだ」として韓国GMを批判した。共に民主党はGM問題を専門に取り扱うタスクフォース(TF、作業部会)を立ち上げることにしている。

 これに対して自由韓国党は「文在寅政権は一体何をやってきたのか」として政府を非難した。同党の全希卿(チョン・ヒギョン)報道官は「政府は政権の座に就いて1年が過ぎようとしているのに、この問題の兆候を把握できず放置した。全くもって話にならない」「GM問題は政府として最優先の課題とすべきはずだが、すでに手遅れだ」などと主張した。全報道官はさらに「好調な企業を苦しめるなど権力に酔いしれながら、一方で地域経済や従業員の生活が懸かった問題をおろそかにした結果がついに目前に迫ってきた」とした上で「この問題に取り組むには市場経済の原則を守らねばならない」と主張したが、具体的な解決策までは提示できなかった。

 新党・正しい未来党の朴柱宣(パク・チュソン)共同代表は「文大統領は選挙の際に群山造船所の経営立て直しを約束したが、この約束を紙くずとしただけでなく、事前に対策も立てずただ傍観しただけだ」と述べ政府を批判した。同党のユ・スンミン代表は政府に対し「経済部処は特別雇用災難地域あるいは特別雇用業種への指定を直ちに検討してほしい」と求めた。正しい未来党は政党立ち上げ後の最初の最高委員会議を19日に群山で開催し、直後に韓国GM工場を視察する予定だ。ただし財界では「現地を視察する政治家たちが従業員たちの要求を全て聞き入れようとすれば、後から収拾がつかなくなる」といった懸念の声が相次いでいる。

キム・アジン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース