李相花が最後のコーナーに入る瞬間、左足がやや流れ、バランスが崩れた。一瞬のことだったが、娘の試合を20年以上見守ってきたイ・ウグンさんは「ああ」と嘆いた。「(私には見えなかったが)主人が驚いていました。だから、私は相花がメダルも取れないと思いました」とキム・インスンさんが言うと、「お母さん、私、そんな程度じゃない。私は李相花よ」と娘が言った。
銀メダルが確定した李相花は泣きながらライバルであり、友人でもある小平と抱擁した。 「体が自然とそっちの方に行きました。1位を目指して激しく争った友に慰めてもらいたかったんだと思います。忘れられない瞬間になりました」。キム・インスンさんは「小平さんは『ご家族の皆さんで食べてください』と宅配便で(韓国でも健康的な食品として人気を呼んでいる)納豆を送ってくれたこともあった。本当に優しい子です」と言った。
この日のインタビューは「サンキュー・マム・キャンペーン」を実施している平昌五輪P&Gラウンジで行われた。李相花は試合後、500メートルの試合の映像を見ていないという。最後のコーナーのミスを見ると惜しさが込み上げてきそうだからだ。だが、「銀メダルを取ったのではなく、銀メダルが12年待っていて、私をとらえたというように考えてみました。毎回、金メダルを取っていたので、銀メダルにはチャンスがなかったというか(笑)。銀メダルもすごいじゃないですか。伝説として残りたかったんですが、伝説になったでしょ? 私、すごく頑張りました。北京冬季五輪ですか? ふう。あともう4年するんですか?」と笑った。
李相花が試合を終えて最初にしたのは、7個のアラームをすべて消すことだった。起床・昼寝・練習など一日のスケジュールをきっちりと徹底させてきた李相花が、五輪のプレッシャーから逃れた瞬間だった。
「あとは残りの五輪を楽しみたいです。ショートトラックのリレーを見に行って、郭潤起(クァク・ユンギ)選手を応援したり、アイスホッケーの試合会場にも行ったりしたい」。趣味はレゴ・ブロックだそうで、「家にはまだ未開封のレゴセットが15セットもあります。それを考えると、また楽しいですね」と笑った。