【コラム】米中の狭間で米国を選んだオーストラリア

 興味深いのは、「オーストラリアの未来の安全保障と反映は、現在のルールに基づくアジアの国際秩序を維持することにかかっており、そのために米国の力に頼らなければならない」と結論づけていることだ。オーストラリアが直面する国際的な試練は、世界で最も豊かで核心的でなおかつ強大な国と解決しなければならず、「米国の世界的な指導力を支援することがオーストラリアの国益にかなう」ということだ。

 白書によれば、2030年の中国のGDPは42兆4000億ドルで、米国(24兆ドル)を大きく上回る。それでも米国を選ぶ理由は何か。「米国との同盟」「中国との貿易強化」という両輪を回しながら、自由民主主義と政治・経済・宗教の自由、人権、法治、民主的制度に基づくオーストラリアのアイデンティティーを守り抜くためだ。

 オーストラリアは言葉だけでなく実践もしている。インド、日本、米国と昨年末からインド・太平洋で▲国際法順守▲南中国海の航海・航空の自由▲ルールが支配する秩序--など共有する価値を守るための4カ国協議を始めたのだ。日本とは今年初めて合同軍事演習も実施する。オーストラリア自由党政権のこうした選択に対し、反発もある。ラッド元首相(労働党)など知中派は「中国を相手にジハード(聖戦)を展開している」と批判している。

 韓国は北朝鮮の核問題に振り回される余り、「さらに大きな報復」を恐れ、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐる中国の横暴にも声を上げられずにいる。南中国海は韓国の原油の90%、貿易貨物の30%が通過する。オーストラリアの白書が強調した「ルールに基づく国際秩序」と「自由民主主義」というアイデンティティーは、韓国が世界11位の経済大国になった土台でもある。その「価値」を再確認させた他国の外交白書に注目するのはそのためだ。

イ・チョルミン上級記者
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