卒業式後にしおれた花束を返品して払い戻しを求める「モンスター卒業生」

花束特注もドタキャン

卒業式後にしおれた花束を返品して払い戻しを求める「モンスター卒業生」

 「卒業式特需」を迎える韓国の花屋が、しおれた花束を持ってきて払い戻しを要求したり、注文しておきながら取りに来なかったりする「すっぽかし客」に頭を抱えている。

 ソウル市蘆原区のある花屋のオーナー(53)は最近、客と言い争いになった。近くの中学校の卒業式のため花束を購入していった客が、数時間後に「卒業式の会場に一度も入らなかった」との理由で払い戻しを要求してきたのだ。枝にはすでに傷が入っていたほか、花びらはややしおれていたため、商品として再び販売できる状態ではなかった。しかし、客があまりにも騒ぎ立てるため、同店のオーナーは結局3万ウォン(約3000円)を払い戻した。

 花束を持って写真撮影した後に、払い戻しを要求してくる客もいる。ソウル市城東区のある花屋のオーナー(33)は「卒業式の終了後、『花がしおれた』として払い戻しを要求してくる客がいる。写真を撮影した後に持ってきたに違いない」と話す。大邱市のある大学の卒業式で花束を売っていたキムさん(40)は「直接花を選んでいったにもかかわらず、卒業式の終了後に『気に入らない』との理由で返金するよう要求してくる客もいた」と眉間にしわを寄せる。

 花屋のオーナーたちは、ほとんどのケースで払い戻しを拒否する。すでに商品価値が低下してしまっているためだ。特に冬は、室内外を行ったり来たりするため、気温差で花が早くしおれてしまうほか、風に当たって傷みやすくなるためだ。中には、客の抗議が恐ろしくて、仕方なく払い戻しに応じるオーナーもいる。ソウル市江北区で花屋を経営するキムさん(46)は「店の入り口をふさいだまま、ずっと払い戻しを要求するお客さんがいたが、他のお客さんたちの手前もあり、払い戻しに応じるほかなかった」と渋々語る。

 電話で花束を特注しながらも、取りに来ない客もいる。花束を取りに来るよう電話を掛けたり携帯メールを送ったりしても、無視するという。特注した場合、客のニーズに合わせて花束を構成するため、他の客に売ろうとすれば、値段を下げる以外になく、結局損をするのは火を見るよりも明らかだ。ある花屋のオーナー(32)は「卒業式シーズンには、注文しておきながらも、1日に3、4件が取りに来なかったことがあった。全て廃棄処分にした」という。こうした中、頭金を受け取るなどの対策を講じている花屋もある。ソウル市蘆原区のある花屋は、こうしたケースに対処するため、6000-1万ウォン(約600-1000円)の頭金を受け取ることや、直接訪問してくる客だけを受注対象とすること、などの対策を講じている。

ユ・ジハン記者
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