【萬物相】中国では下座に座らされる韓国特使

【萬物相】中国では下座に座らされる韓国特使

 昨年12月、洪準杓(ホン・ジュンピョ)自由韓国党代表が日本の安倍晋三首相を表敬訪問した際、安倍首相は黒地に花柄のソファーに座ったのに対し、洪代表を低くて無地のソファーに座らせた。誰が見ても安倍首相が上座だった。13日に徐薫(ソ・フン)国家情報院長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使として、安倍首相と会見した際には、二人とも同じソファーに座った。韓国で起きた論争を意識した可能性もあるが、大統領特使に対しては当然の儀礼だった。

 主権国家間の儀典において、相手国の首脳の言葉を伝える外交特使は首脳クラスの礼遇を受けるのが国際的な慣例だ。文大統領の特使として訪米した鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領秘書室国家安保室長もホワイトハウスでトランプ大統領と並んで座り、ペンス副大統領とマティス国防長官がトランプ大統領側の脇に座った。

 中国5000年の歴史で外交担当部署がつくられたのは、1861年になってからだ。2回のアヘン戦争で惨敗した後、「総理各国事務衙門」という臨時交渉機関が設置された。それまで中国は他国と平等な関係で向き合ったことがなかった。儀式を担当していた礼部が朝貢をしてくる周辺国との関係を担当していただけだ。

 昨年5月に文大統領の特使として訪中したイ・ヘチャン国会議員が習近平国家主席と会見した際、中国は前例がない座席の配置を行った。習主席はテーブルの上座に座り、イ特使は下座で習主席が開く会議に出席しているような配置だった。12日に鄭義溶特使が習主席と会った際も同様だった。中国が以前からそうだったわけではない。2013年に金武星(キム・ムソン)大統領特使は習主席と対等な席だった。中国が韓国の特使を座らせる位置は昨年以降、香港の行政長官や地方政府幹部が習主席に報告を行う場合と同じ位置に変わった。ところが、昨年5月に日本の特使は習主席と対等に向かい合い、昨年10月のベトナム、ラオスの特使も習主席と並んで座った。韓国の特使だけが下座扱いだ。

 中国専門家は「問題を提起しなければ、これからもこういう扱いをされる」と述べた。中国で韓国の特使の座席がいつの間にか下座に固まることは軽視すべきことではない。皇帝クラスの権力を握った習主席は「韓半島(朝鮮半島)は歴史的に中国の一部だった」という認識を持った人物だ。中国の宣伝機関は周辺国が朝貢に訪れるという意味の「万邦来朝」という言葉を使う。自分の地位と威信を自分で守らなければ、誰も守ってはくれない。

アン・ヨンヒョン論説委員
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