韓国人初の宇宙飛行士「韓国で一生、講演だけして生きるわけにはいかなかった」

韓国人初の宇宙飛行士「韓国で一生、講演だけして生きるわけにはいかなかった」

 「NASA(米国航空宇宙局)の研究者やロシアの宇宙科学者たちに会うと、一様に『韓国はどうやって高いレベルの技術力を短期間に持てるようになったのか」と聞かれる。むしろ、宇宙開発に関して過度の焦りを感じているのは韓国国内だけかもしれない」

 韓国人初の宇宙飛行士イ・ソヨン博士(40)が3日、大田市内で行われた韓国マイクロ重力学会学術大会の招待講演で、「(韓国初のロケット)羅老(ナロ)号(KSLV-I)打ち上げや韓国人宇宙飛行士輩出などを見て、韓国の宇宙科学技術に対する評価が変わっている。今後は無条件にまねしたり従ったりするのではなく、韓国独自の宇宙開発を推進する必要がある」と述べた。

 イ・ソヨン博士は2008年4月に3万6000倍という競争率を突破して宇宙飛行士に選ばれ、国際宇宙ステーション(ISS)で11日間にわたりさまざまな宇宙実験を行った。現在は米シアトルで韓国系の医師の夫と暮らしており、大学の物理学講師やフリーランスの研究などをしている。今回、宇宙飛行士輩出事業10周年を記念して帰国し、今月7日と8日に国立果川科学館で一般向け講演会とサイン会を行う。

 イ・ソヨン博士は「国の規模を考えると、米国が火星探査機を作っているからと言って韓国も同じようにするのは無理だと思う。韓国ができる特技を考える必要がある。韓国人が火星に直接行かなくても、韓国の技術が火星探査に決定的な役割を果たせば、韓国も宇宙強国として認められるようになる可能性がある」と語った。

 博士は「食い逃げ」「宇宙観光客」などと言われたこともあった。研究員をしていた韓国航空宇宙研究院を2012年に突然休職、米国へ留学すると、「予算260億ウォン(約26億円)を投じて推進された宇宙飛行士事業が使い捨てに終わった」と批判された。「韓国国籍を放棄した」といううわさが流れるほど非難の声が高まったことについて、博士は「韓国で暮らし続けていたら、ヒット曲1曲で一生活動を続ける歌手のように、還暦になっても(宇宙関連)講演だけで生きていくような恐怖を強く抱いた」と言った。

大田=崔仁準(チェ・インジュン)記者
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