病める韓国社会、自殺場面まで生中継

病める韓国社会、自殺場面まで生中継

 自殺事件はできるだけ報道しないというのがメディアの原則だ。別の自殺事件を誘発しかねないからだ。しかし、社会の病理を端的に表すような事件となれば別だ。報道の公益的効果の方が大きいためだ。3月5日に釜山市で起きたインターネットでの自殺生中継事件がそうだ。歪んだのぞき趣味が増幅した韓国社会の病的な側面を物語っているからだ。

■自殺を生中継で眺める韓国社会

 3月5日午前11時ごろ、釜山市沙上区のワンルームでインターネット放送局の司会者Aさん(35・女)がライブ配信を始めた。アクセスした視聴者は約20人。Aさんは「インターネット放送は大変でやっていけない。何をやればいいのか分からない」などと話した後、「3月7日が何の日だか知っているか」と2日後の自殺を暗示した。すると、視聴者の1人がからかうように「飛び降りろ」とコメントした。Aさんは焼酎を飲みながら、弁当を食べた後、「じゃ、逝くよ」と言って立ち上がった。そして、「母さんもいないのに、どうやって行きていけばよいのか」と言いながら、2匹いた飼い犬のうち1匹を8階の窓の外に放り投げた。その後、残る1匹を抱き、自分も窓から飛び降りた。「あーっ」という悲鳴もそのままライブで流れた。画面の角度の関係で飛び降りる様子は見えなかった。通報を受けた救急隊はAさんを近くの病院に搬送したが、1時間後に死亡した。飼い犬も1匹が死に、1匹は重傷を負った。

 3月7日午後、釜山市水営区の葬儀会場には遺族や同僚が集まっていた。警察と遺族によると、Aさんは5年前からインターネット放送を開始した。所属するインターネット放送局では古株だった。しかし、最近視聴者が減ると、周辺にうつの症状を訴えるようになったという。遺族は「人気が落ち込んでいる時にはひどいコメント一つが致命的になったのかもしれない」と話した。同僚は「熱心に放送に取り組んでいた人だった。突然の死にショックを受けている」と語った。釜山沙上署は正確な死亡経緯を把握するため、インターネット放送局から当時の映像の提出を受け、分析を進めている。

釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者 , パク・サンヒョン記者 , アン・ヨン記者
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