韓国政府 北朝鮮向けビラ散布自粛呼びかけ=民間団体は反発

【ソウル聯合ニュース】韓国統一部の当局者は30日、北朝鮮との軍事境界線一帯でのビラ散布を5月1日から中止するとの南北首脳会談での合意に従い、近く関連団体にビラ散布の自粛を要請する方針を明らかにした。

 ビラ散布の自粛要請は、南北首脳が27日に合意した「板門店宣言」に基づくもの。宣言には「5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめ全ての敵対行為を中止し、その手段を撤廃する」とある。韓国軍が北朝鮮向け宣伝放送のため使用していた拡声器を来月1日から撤去するのも、板門店宣言を順守するためだ。

 だが、北朝鮮に対するビラ散布は主に民間団体が行っており、「表現の自由」に当たることから政府レベルで中止を強制するのは困難だ。政府が関連団体にビラ散布の「自粛」を要請するのはこのためだ。



 一方で団体側は政府が協力要請をしたとしても応じない方針で、議論を呼ぶことが予想される。
 民間団体の関係者は「(ビラ散布は)北の住民の目と耳を開く人道主義の人権運動だ」として、今後もビラをまくと明らかにした。別の民間団体も「北の住民が自由を得るその日までビラ散布を続ける」とし、今週もビラ散布を行う予定だと述べた。
 このほか北朝鮮関連の人権団体も、来月1日にソウル近郊の仁川・江華島で米とUSBメモリーを入れたペットボトル約500本を海に浮かべ、北朝鮮に送る計画だ。
 ただ、これらの団体は南北関係に及ぼす影響を減らすため、なるべく非公開でビラを散布する計画だと伝えられた。
 北朝鮮はこれまで、ビラ散布に対し「最高尊厳への冒涜(ぼうとく)だ」として敏感に反応してきた。
 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2004年6月にも南北は軍事境界線地域での放送やビラ散布などの宣伝活動の中止に合意したが、民間団体によるビラ散布が続き、北朝鮮は強く反発した。
 14年10月には北朝鮮脱出住民(脱北者)団体がソウル北方の京畿道・漣川からビラをつけて飛ばした風船に北朝鮮が発砲し、韓国軍が応戦するなど軍事的緊張が高まった。
 これを受け、政府当局者が関連団体に会って自粛を呼びかけ、住民の安全のために警察がビラ散布を制止する場合が多かった。今回も関連団体がビラ散布を強行しようとすれば、警察が動員される可能性も排除できない。

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