ヤクザの集団暴行現場にひるんだ警察官に批判殺到 /光州

 「みんな入れ墨入れてヤクザだよ、ヤクザ。石! 石! 石で殴った。死にそうなのに、最初からずっと殴られている人、まだ殴られている」

 「警察官は来ていないの? あ、来た。角に警察官がいる」

 「あー(加害者たちが)警察官も殴っている」

 先月30日、光州市光山区水莞洞の集団暴行現場は無法地帯をほうふつとさせた。光州地方警察庁は今月3日、暴行現場のすぐ隣の建物にいた市民3人が撮影した約1分50秒間の動画を公開した。警察官が出動しても構わず拳を振り回す加害者に、市民たちはあきれた様子を見せていた。

 2日、集団暴行の様子がインターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、大統領府国民請願掲示板などで公開されると、加害者はもちろん、警察の対応のお粗末さに対して非難の声が上がった。動画を見ると、屈強な体格の男たち7人が水莞洞の飲み屋街裏の茂みで男性1人に対し集団で暴力を振るっていた。先月30日午前5時から6時にかけての出来事だ。被害者の頭や腹を拳で殴ったり足でけったりした上、石や木材などを使っても暴行していた。

 通報を受けて警察官が駆け付けても、男たちは暴行をやめず、制止する警察官の腕を振り払った。警察官5人は、上半身裸になった男たちの入れ墨を見て、鎮圧に消極的な姿勢を見せた。ネットでこれを見た人々からは「公務執行を怠った警察官を処罰してほしい」と要求する声も上がっている。被害者のパクさん(33)は右目の骨が折れ、失明の危機に瀕する重傷を負った。当時現場にいたパクさんの友人キムさん(33)は「パクさんはパトカーに乗る時も殴られていた」と語った。

 この事件は、飲酒後に帰宅する際、タクシー乗車をめぐって男性3人・女性2人の被害者たちと、男7人・女3人の加害者たちがもめたことから発生した。被害者のパクさんは当初、もめ事の仲裁をしようとして集中的に暴力を振るわれた。光州・光山警察署は、暴力行為などの処罰に関する法律違反(集団傷害)容疑で、加害者の男(31)ら3人を逮捕、4人を書類送検した。

光州広域市=チョ・ホンボク記者
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