南北ホットライン開通2週間、いまだ首脳間通話なし

南北ホットライン開通2週間、いまだ首脳間通話なし

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の間に敷かれたホットライン(直通電話)=写真=による通話は、電話線がつながってから2週間過ぎてもまだ行われていない。南北は今年3月、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が訪朝した際、南北首脳間のホットライン開設に合意した。4月20日には電話線の開設後、実務者が4分19秒間にわたり初の試験通話を行った。しかし、4月27日の南北首脳会談前に初の通話を行うと公言していたのとは裏腹に、ホットライン開通から2週間が過ぎても首脳間の通話は実現していない。

 ホットラインによる通話の遅れについて韓国大統領府(青瓦台)は、南北間の「乱気流」のせいではなく、米朝首脳会談の場所や日付が発表されていないからだと説明した。ホットラインでの初の通話時期を、米朝首脳会談の日程が決まった後と想定しているのだ。

 大統領府の関係者は7日、「米朝首脳会談の日程が確定すれば、自然と通話が行われるのではないか」と語った。あいさつする程度のイベント的な通話であればいつでもできるが、文大統領と金委員長いずれも、今はそうする必要がないと考えているのだ。

 一部からは、金正恩委員長は文大統領との電話よりトランプ大統領の動きの方に関心がある、という解釈も出てきている。北朝鮮側は「天気やあいさつで首脳間の電話をするのがふさわしいかどうか分からない」という意向を伝えてきたという。

 文大統領と金委員長の最初の通話は、韓米首脳会談(5月22日)が開かれる前の今週末か、来週初めに行われるという見方がある。米朝首脳会談の時期や場所などが確定すれば、文大統領とホットラインを通して協議する事案が生じるだろうというわけだ。

 だが大統領府内部には懸念もないわけではない。米国が北朝鮮に対する圧迫を継続し、北朝鮮が反発する姿勢を見せていることをめぐって「米朝間の非核化協議は難航するのではないか」「ホットラインの通話がもっとずれ込むこともあり得る」という声も上がった。南北直通電話は、韓国側では大統領府の与民館3階にある大統領の執務室、北朝鮮側では平壌の労働党庁舎にある金正恩委員長の執務室に設置された。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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