北の会談ドタキャン、「米国説得」のために文大統領に圧力か

米外交筋「北朝鮮の立場を韓国から米国に伝えてもらうため」
脱北した元駐英公使「北が単独で米国を説得するのは困難」

 北朝鮮は16日、同日に予定されていた南北閣僚級会談を一方的に中止し、米国に警告を突き付けた。突然の会談中止宣言をめぐり、北朝鮮が文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し「米国を説得せよ」という課題を投げたのではないかとの分析が出ている。

 ワシントンの外交筋は16日、本紙の電話取材に対し「北朝鮮が韓米合同航空戦闘訓練『マックスサンダー』を理由に南北閣僚級会談を一方的に中止したのは、22日に行われる韓米首脳会談に向けた思惑があるからだ」として「韓国を動かし、米国との首脳会談の際に北朝鮮の立場をより確実に反映させるためだとみられる」と指摘した。

 この外交筋は「北朝鮮は韓国との閣僚級会談を中止することで、F22などの戦略兵器が韓半島(朝鮮半島)に飛来することを望んでいないという意思を明確に示した」「このような北朝鮮の立場を、韓米首脳会談の際に文大統領からトランプ大統領に伝えてほしいという意味だと解釈される」と話した。北朝鮮が米朝首脳会談で主張する予定の重要なメッセージを、文大統領を通じてあらかじめ米国に伝え、米国を説得しようとしているというわけだ。

 2016年に脱北して韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使もこの日、本紙の取材に対し「北朝鮮が韓国に対し『米国を動かしてほしい』と求めてきた」との見方を示した。太永浩氏は「(首脳会談を控え)完全な非核化を求める米国と、体制保障を求める北朝鮮との間で神経戦が繰り広げられている」として「北朝鮮は今、米国を単独で説得するのが困難なため、『わが民族同士』の精神で南北が力を合わせて米国を翻意させよう、と言ってきた」と指摘した。北朝鮮は表面的には韓米軍事演習と太永浩氏による回顧録出版を会談中止の原因だとしているが、実は「韓米首脳会談の際に、韓国が北朝鮮側に立って米国を説得してほしい」というメッセージを送ってきたというのだ。

 太永浩氏は「北朝鮮と米国は米朝会談の議題をめぐり、最後の合意文を見据えた調整に入ったのだろう。北朝鮮としては、予想より米国が重い課題を突き付けてきたため、調整がうまくいっていないようだ」と述べた。

 専門家らは、韓国政府が米朝首脳会談や対話ムードに影響が及ぶことを望んでいないため、北朝鮮の立場をある程度考慮する可能性があるとみている。しかし、米国が強調する「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID=Complete, Verifiable, and Irreversible Dismantlement)」の原則を崩すのは困難との見方が強い。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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