原油供給・人材派遣急増、中国で対北制裁緩和の動き

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が短期間に中国を2回訪問したことを受け、中国から北朝鮮向けの原油供給が増加し、また中朝国境付近では北朝鮮からやって来た女性労働者の増加で供給過剰状態になるなど、北朝鮮に対する制裁が緩み始めているようだ。米政府系放送局の、ラジオ自由アジア(RFA)が16日に報じた。非核化に向けた手続きがまだ始まってもいない段階で、中国から対北制裁に大きな穴が開くとの懸念が現実となり始めた。

 丹東のある消息筋はRFAのインタビューで「最近、北朝鮮に送られる原油の量が1日平均でタンクローリー80台分に達しているそうだ。八三油類貯蔵所の関係者から直接聞いた」と話した。この住民によると、タンクローリーは1台で60トンなので、80台なら4800トン分になる計算だという。これだけの量が北朝鮮に毎日供給されれば、国連が定めた北朝鮮向け年間原油供給量の上限となる400万バレル(約64万トン、1日平均1753トン)を大きく上回るというのがRFAの見方だ。

 丹東の北30キロに位置する八三油類貯蔵所は、黒竜江省の大慶油田から運ばれた原油を保管する施設で、北朝鮮につながるパイプラインもここからスタートする。パイプラインは鴨緑江の地下を通過し北朝鮮の烽火化学工場につながっている。丹東のある住民も「八三油類貯蔵所に油を積んで入ってくる原油輸送列車は(金正恩氏が最初に訪中した)4月初めから1日2-3両に増えた。これまで1日1両ほどだったから、それが2-3倍に増えたことになる」と証言している。

 日本の北朝鮮専門メディア「アジアプレス」の関係者も「4月中旬から北朝鮮でガソリン価格が少しずつ下がり始め、5月8日からはガソリンも軽油も前の月に比べて35%も安くなった」と伝えている。北朝鮮向けの原油供給が増えていることが分かる。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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