韓国最大のウェブ漫画違法流通サイトサイト「パムトッキ」(夜のウサギの意)の運営陣が23日に逮捕されたことを契機として、違法コンテンツ流通を根絶すべきだとの声が高まっている。2016年に開設されたパムトッキはこれまでにウェブ漫画約9万点余りを違法にサイト上に掲載し、1日平均116万人のアクセスを集め、アクセス数ベースでは韓国国内で13位のサイトとなった。昨年のパムトッキによるウェブ漫画業界の被害額は2400億ウォン(約240億円)だった。今年8800億ウォン規模と推定されるウェブ漫画市場の4分の1を超える額だ。
ウェブ漫画だけではない。音楽、映画、放送、出版、ゲーム分野も違法サイトによるコンテンツのコピー配信でひどい目に遭っている。文化体育観光部(省に相当)が今年初めに発表した著作権白書によると、2016年に韓国国内のインターネット上で流通した違法コピーは23億点に達する。それによる市場の被害規模は2兆3800億ウォンと推定される。文化体育観光部傘下の韓国著作権保護院は16年、294の違法コピーコンテンツサイトをモニタリングし、是正措置を下したが、急速に広がる違法サイトを根絶するには至らなかった。このため、コンテンツ業界からは「違法サイトが新たな韓流を率いるコンテンツ産業を台無しにしている」との声が上がっていた。
■違法コンテンツ天国・韓国
本紙記者がパムトッキ閉鎖から4日後の27日、グーグル検索で最近流行しているウェブ漫画を検索すると、10以上の違法サイトがヒットした。ネイバー、ダウムなどポータルサイトで連載されているウェブ漫画を見るには1話当たり200ウォンを払わなければならないが、違法サイトでは無料で提供されていた。放送番組や映画も同様だ。ちょっと検索しただけでも違法サイトで最新作をタダでダウンロードできたり、ストリーミングで見られたりする。これらサイトは海外にサーバーを置き、韓国国内での監視や規制を回避している。違法コンテンツでユーザーを集めた後、アダルトサイトや違法賭博サイトの広告を誘致し、収入を上げている。
違法コピーでコンテンツ業界は投資の誘致でも打撃を受けている。昨年韓国の漫画・ウェブ漫画分野での投資誘致額は前年度比85%減の96億ウォンだった。コンテンツ業界関係者は「違法コンテンツ流通問題で巨大市場である中国、日本の攻略にも支障が生じている」と話す。