韓国番組のハーフモデルいじりに批判の声

「韓国人であることを証明しろって?」
国際結婚家庭の子を興味本位に取り上げる韓国の番組

韓国番組のハーフモデルいじりに批判の声

 「韓国料理が口に合い、フォークを使うのは慣れていないハン・ヒョンミン」(MBC『奥地の魔法使い~Wizard of Nowhere~』)、「骨の髄まで韓国っ子」(KBS『ハッピー・トゥギャザー』、「英語、全然できなかったんです」(MBC『ラジオスター』)。

 番組でモデルのハン・ヒョンミン(17)を取り上げるやり方について、さまざまな意見が飛び交っている。ハン・ヒョンミンはナイジェリア人の父と韓国人の母の間に生まれ、韓国で育った多文化家庭(国際結婚家庭)の子だ。米タイム誌が昨年選んだ「最も影響力のある10代の30人」に選ばれ、さまざまな番組でマルチな活躍をしている。問題は、韓国で生まれ育った韓国籍を持つ韓国人であるのにもかかわらず、ハン・ヒョンミンが受けている差別的な質問や反応にある。

 「僕は生まれてからごく最近まで韓国から出たことがありませんでした」。今年1月、KBS第1の情報番組『朝の広場』に出演したハン・ヒョンミンは、自身が確かに韓国人である理由を3つ挙げなければならなかった。「英語はできない」「好きな食べ物はスンデグク(韓国の腸詰めスープ)」と答えると、爆笑が巻き起こった。モデル活動のためヨーロッパに初めて行った彼に、司会者は「醜いアヒルの子という童話があるじゃない? 自分だけ違うと思っていたら、(ヨーロッパに)自分とそっくりの人たちがいたというわけでしょ」と言った。彼を醜いアヒルの子に例えたのだ。ある総合編成チャンネルではハン・ヒョンミンに目隠しをさせてスンドゥブチゲ(おぼろ豆腐のチゲ)やコンナムルグク(豆もやしスープ)などの料理のにおいをかがせて当てさせるゲームをした。ツイッターには「番組が多文化家庭の子どもに対する誤解や差別をあおっている」と批判する書き込みが投稿されている。

 多文化家庭の子どもたち自身も不快感を抱いている。韓国人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれたキム・ソジンさん(21)は「見た目が違うだけで、韓国人であることには違いないのに、番組でまで韓国人であることを証明しろというのは暴力だ」と語った。パキスタン人の父親と韓国人の母親の間に生まれたエトさん(22)も「ただ見た目が違うという理由で外国人扱いを受けているのが現実。番組でも同じ場面を繰り返して笑いの対象にしているので残念だ」と言った。

 大衆文化評論家のチョン・ソクヒ氏は「多文化家庭の子どもたちを番組で取り上げる際には、万一でも差別や偏見を生む素地がないかどうか細心の注意を払う必要がある」と話す。ソウル市永登浦区多文化家族支援センターのチン・ギョソン・チーム長は「肌の色や外見が違うことを理由に差別する風潮をなくす番組をたくさん作るべきではないだろうか」と現在の番組内容に疑問を呈した。

イ・ヘイン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓国番組のハーフモデルいじりに批判の声

right

あわせて読みたい