【コラム】韓国が完全にしてやられた非核化リアリティーショー

 北核を阻止できないこと、そして自国にまともな飛行機さえ持たない貧困集団のトップが米国大統領と対等なショーができたこと、さらに韓国国民の生存が懸かった会談の場に太極旗(韓国の国旗)がなかったことなどは全て韓国国民が決起しないからだ。1990年代に北朝鮮が核開発を始めたばかりの頃、米国が空爆を検討した際に韓国国民が決起していれば、戦争なしに北核問題は終わらせることができた。しかしわれわれはそうすることができなかったし、今後もできないだろう。トランプ大統領と金正恩氏の会談は、見方を変えれば5100万人の韓国国民を人質にする金正恩氏と、世界の警察官である米国との人質交渉だった。しかしその場合、人質は銃撃戦など起こらずただ事態が穏やかに終わることしか願わない。たとえ犯人が求めるものを手にしたとしてもだ。金正恩氏が今つけこもうとしているのはまさにその人質心理だ。

 構造的に北朝鮮の核保有阻止は難しいのが現実だ。それでもわれわれがこれまで希望を持てたのはトランプ大統領という人物が登場したからだ。その行動があまりにも予測不可能なことから「ついに救世主が登場した」と考えたこともあった。北朝鮮に対してはこれまでにない厳しい制裁で締め上げ、今すぐにでも空爆するかのように圧力を加えたのだから「このままでは金正恩氏も手を上げるのでは」と期待もした。ところが今考えるとそれらは全て一つのショーにすぎなかったようだ。「米国」「米国人」「白人」「金」しか知らない人間にとって「同盟」「安全保障」「核非拡散」「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)」など全てがただのショーにさえ劣るものだったのだ。

 ここ1年間を振り返ると、韓国の周辺では非常に多くのショーが行われた。その演出も非常に優れていたため、誰もが目を奪われていた。それがついにシンガポールでは「歴史的」という言葉がついたショーまで行われた。この種のショーは今後も続くだろう。しかしいつか華麗なステージは幕を下ろし、照明は消される。そうなるとその場に残るのは観客だけだ。

楊相勲(ヤン・サンフン)主筆

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