正恩氏の姿は予想外? 「話の通じる指導者」イメージ演出=香港紙

【香港聯合ニュース】香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは13日、34歳の若き指導者、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が12日のシンガポールでの朝米(米朝)首脳会談で予想外に落ち着いた姿を見せ、ポジティブなイメージの演出に成功したと報じた。

 同紙によると、核実験やミサイル発射に没頭していた昨年までの金委員長は「狂人」とも呼ばれたが、前日のトランプ米大統領との会談で見せた姿はこれとは正反対だった。

 トランプ大統領と初対面で握手する際にも緊張した様子は見られず、うなずきながら落ち着いてあいさつを交わした。

 金委員長は、話が通じる「普通の国」の指導者のようにトランプ大統領に謝意を示しながら、対話の端々で自然な外交用語を駆使した。トランプ大統領の腕を軽くたたいたりもしたが、これは金委員長がトランプ大統領と同等の立場であることを示すジェスチャーと解釈される。

 韓国与党「共に民主党」のある議員は、「金委員長は朝米会談のために助言を受け、予行演習をしたとみられる」と述べた。一部では、金委員長が先月7~8日に中国・大連を訪問し、習近平国家主席に会った際に、会談に向けて助言を受けた可能性も取り沙汰されている。

 会談前日の11日夜、シンガポールの滞在先ホテルから突然外出して取材陣や観光客に笑いながら手を振ったことも、ポジティブな雰囲気を演出するのに一役買ったと評価される。

 国際紛争を研究し紛争の予防を目指すNGO「国際危機グループ」(ICG)の関係者は「北朝鮮の指導者の異例の外出は、和解ムードを演出するためのものとみられる」とし、「国際社会の制裁を緩和させるため、彼と彼の国に対する共感を引き出そうとしたようだ」と述べた。

 金委員長はこのようなイメージ演出で成果を挙げただけでなく、朝米会談で実利まで手にしたという分析も出ている。

 会談前の実務協議で、米国は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)という表現を両国の声明に含めることを強く主張したが、共同声明にはCVIDが盛り込まれず、北朝鮮の意向が通った結果となった。これは金委員長の思惑通り、国際社会の制裁解除と経済協力に合わせて北朝鮮の非核化が段階的に行われる可能性を示している。

 だが、今回の朝米会談での姿だけで金委員長を判断してはならず、北朝鮮が「普通の国」として認められるために国際社会との約束を履行するかを見守らねばならないとの指摘もある。

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