韓国の所得下位10%、中産階級入りには5世代必要

■社会移動性が低下

 専門家は韓国の「社会移動性」が最近になって低下していると分析する。延世大社会学科のハン・ジュン教授が昨年、韓国経済研究院のセミナーで発表した「韓国の社会移動性向上のための方案」によると、最近の青年世代(1987-94年生まれ)では、父母世代よりも良い職業を得る「上昇移動」の割合は57.7%と分析された。これに対し、20年前の青年世代(1966-75年生まれ)では上昇移動の割合が69.8%だった。いわゆる「386世代」に比べ、現在の青年世代の上昇移動の割合は12ポイント低いことになる。

 社会移動性に対する認識も悪化した。韓国統計庁の調査で「子女世代に現在より社会的地位が高まる」と答えた国民の割合は2009年の48.4%から昨年は30.6%に低下した。成太胤(ソン・テユン)延世大経済学部教授は「社会移動性が低下すれば、『努力しても無駄だ』というマイナス意識が高まり、社会の活力低下につながる」と指摘した。

 OECD研究陣は社会移動性を高める方法として、「平等な教育機会提供」に注目した。今回のOECDの調査で韓国は父母より学力が高い人の割合が57.5%と調査対象26カ国でトップであり、OECD加盟国平均(39.2%)よりはるかに高かった。教育機会に関しては他国よりも父母の影響を受けていないことを意味する。成均館大社会学科のク・ジョンウ教授は「韓国では高学歴でも階層上昇につながりにくいことを示している」と指摘した。

【グラフィック】所得下位10%の階層が中産階級(平均所得)に達するまでにかかる期間

イ・ギフン記者
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