強引な「脱原発」の副作用、太陽光発電施設で相次ぐ山崩れ

森林伐採して設置した山間部のソーラーパネル、大雨で地盤緩み崩壊

 3日午前2時ごろ、慶尚北道清道郡にある太陽光発電システム設置地域で山崩れが発生し、清道郡にある全2万8700平方メートルの設置地域のうち約7000平方メートルでソーラーパネルが損壊するなどの被害が発生した。清道郡には台風7号(プラピルーン)の影響で2日に73ミリ、3日に22ミリの雨が降っていた。4日午後になっても山崩れの現場には壊れたソーラーパネルや木の枝などが土砂に混じって散乱していた。付近の国道は、2車線とも崩れてきた土砂200トンに覆われていた。近くの果樹園も土砂によって滅茶苦茶になっていた。幸いにも人命被害はなかった。太陽光発電設備は2016年から工事が始まり、今年末に完工予定だった。

 今回の山崩れは、文在寅(ムン・ジェイン)政権の「脱原発」政策と、この政策に伴う強引な再生可能エネルギー拡大政策が招いたともいえる。山の中に太陽光発電所を設置したことで山林が破壊され、地盤が弱体化し、梅雨に入る前から土砂崩れが発生するケースが相次いでいる。5月には京畿道漣川郡の山間部にある太陽光発電システム設置地域でも降雨の影響で山崩れが発生した。また、同じく5月に江原道鉄原郡の山間部でも、2日間にわたり50ミリの雨が降った結果、太陽光発電システム設置工事現場で土台が崩れる事故が発生した。

 清道郡の山崩れ現場近くに住むキムさん(58)は「木を伐採しているときから、何てことをするのかと思った」として「環境に優しい発電と言っているが、木が生い茂っていた場所を丸裸にすることが環境に優しいといえるのか」と話した。慶尚北道の関係者は「現行法では、ソーラーパネルを設置して20年たてば田園住宅などに用途を変更できるため、この法律を悪用した投機目的の設置の可能性が高い」と話した。清道郡の住民は「この程度の雨で山崩れが起きるのだから、大型の台風が来たらどうなってしまうのか心配だ」と話した。

アン・ジュンホ記者 , 清道郡 クォン・グァンスン記者
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