江原道の「幽霊空港」、北九州便就航を機に「空の玄関」へ

一時は飛行機ゼロだった襄陽空港、今年に入り活性化
ロシア・ベトナム・日本路線が続々就航

 一時は飛行機が1便も飛ばず「幽霊空港」の汚名を着せられていた江原道の襄陽国際空港が、今年に入り江原道の「空の玄関」として活性化し始めている。

 襄陽国際空港は今年5月から国際線の定期便の運航を再開し、ロシアとベトナムへの不定期路線も相次いで就航した。観光客の利用も増えている。韓国初の小型航空機運航会社、コリア・エクスプレス・エアは今年5月27日から、襄陽と日本の北九州を結ぶ定期便を運航している。襄陽-北九州便は両国にとって初の路線だ。毎週火・木・日の週3回運航し、襄陽を午後8時、北九州を午後9時10分にそれぞれ出発する。飛行時間は約1時間20分だ。

 襄陽-北九州便の就航により、襄陽空港の定期便が2年ぶりに復活することになった。同空港の国際線の定期路線は2015年10月9日の襄陽-上海便を最後に途絶えていた。また、5月16日からは襄陽とロシアのウラジオストク、ハバロフスクを結ぶ不定期路線が、6月7日からは襄陽とベトナム・ハノイを結ぶ不定期路線が相次いで就航し、襄陽は国際空港として復活を遂げた。

 国際線の就航が相次いでいることで、利用客数も大きく伸びている。今年に入って襄陽空港の国際線の利用客数は2万4923人(6月末現在)で、前年同期(6559人)の4倍近く増加した。この状況が続けば、今年の襄陽空港の国際線利用客数は5万人を超えると期待されている。

 また、ベトナムのホーチミン、ダナン、台湾の高雄、台北、澎湖島、インドネシアのマナド、日本の高松、鳥取への不定期便8路線も早ければ今年10月から順次運航する見通しだ。

 江原道は国際線の定期便運航を拡大し、襄陽空港の活性化を図る方針だ。まずは、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)韓国配備をめぐる対立で保留になっていた中国の瀋陽、広州、上海路線の運航を始めるとみられる。襄陽-上海路線は2014年、襄陽-瀋陽、襄陽-広州の各路線は16年にジンエアーが定期運輸権を確保したが、THAAD問題の余波で運航が実現していなかった。江原道は中国のTHAAD報復が解除され次第、運航開始の協議に入る方針だ。不定期路線として運航しているロシア・ウラジオストク、ハバロフスクと、ベトナム・ハノイ路線も定期便への格上げを推進する。

 新たな航空会社の設立支援にも乗り出す。江原道は、襄陽空港などを本拠地とするフライ江原が5月に国土交通部(省に相当)に国際航空運輸事業免許の取得を申請したことに伴い、免許取得のための行政的な支援を強化することにした。フライ江原は、外国人観光客の需要を生むTCC(観光融合航空会社)という新しい概念の事業モデルを掲げ、地域の雇用創出と観光産業の発展を実現すると訴えている。すでに航空機を5機借り入れるという意向書も提出している。

 江原道グローバル通商局のチョン・ホンジン局長は「国際線の定期便運航再開に続き、フライ江原が事業免許を取得すれば、襄陽空港は堂々たる国際空港として生まれ変わる」として「襄陽空港が北東アジアのハブ空港として成長できるよう努力したい」と述べた。

襄陽= チョン・ソンウォン記者
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