トランプ大統領が金正恩氏の親書を公表、米世論を意識か

 米国のトランプ大統領は12日(現地時間)に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からの親書を公表した。今月6-7日にポンペオ国務長官が3回目の訪朝から戻った直後「手ぶらで帰ってきた」との批判が高まったことを受け、首脳間でやり取りされる親書を公表したわけだが、これは通常では考えられない異例の行動だ。親書には非核化に関する言及は全くなかったが、トランプ大統領は「北朝鮮の金正恩委員長からのとてもすてきな手紙だ。事態は大きく進展している」とコメントした。

■非核化への言及はなくトランプ大統領のご機嫌取りばかり

 「アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ閣下」で始まる1枚の親書には「閣下」という言葉が6回登場する。まず6月12日の米朝首脳会談については「閣下との意義深いはじめての出会い」「大統領閣下の情熱的で特別な努力に深い感謝の意を表する」とあり、さらに「私と大統領閣下の確固たる意志と真摯(しんし)な努力、独特な方式は必ず素晴らしい結実をもたらすだろう」とあった。称賛に弱いトランプ大統領を喜ばせるため、これまでの米政府とは異なるトランプ大統領のやり方を「独特な方式」と褒め称えた。親書の最後には「朝米関係改善の画期的な進展が次の出会いを前倒しすると確信する」として2回目の米朝首脳会談にも言及した。

 ただし親書のどこにも「非核化」あるいはそれを思わせる表現はなく、米朝関係改善にしか関心がないようにも見えた。金正恩氏は「大統領閣下に対する変わらない思いと信頼が今後の実践過程でより強固になることを願う」とも語りかけていた。

 親書の内容についてある外交筋は「終戦宣言の締結を求める北朝鮮は米国の行動を強調し、段階的・同時的非核化についても譲歩する考えがないことを遠回しに伝えている」との見方を示した。米兵遺骨返還など北朝鮮が何らかの合意を実行すれば、それに応じて米国には直ちに十分な見返りを与えるよう求めているようだ。

 ニューヨーク・タイムズは「親書は取り繕った言葉で満たされているが、北朝鮮として核を放棄する意向は全く表現されていない」と指摘した。マサチューセッツ工科大学(MIT)のヴィピン・ナラン教授はCNNとのインタビューで「金正恩氏は(親書を通じて)『我々は米朝関係が再定立された後になって核について話をする』との考えを明確にした」との見方を示した。

ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員 , アン・ジュンヨン記者
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