北の石油製品「瀬取り」、5月までに89回

 米朝首脳会談の後、北朝鮮制裁緩和の懸念が持ち上がる中で、米国は北朝鮮に対する石油製品(refined petroleum)の輸出を直ちに禁止するよう中国・ロシアなどに向けて要求するなど制裁の手綱を締め始めた。北朝鮮が非核化する前に制裁の解除はない、ということを明確にするものだ。

 ウォールストリート・ジャーナル紙など外信が12日(現地時間)に伝えたところによると、米国は国連安保理に提出した文書にて、「北朝鮮が国連安保理の制裁に違反して石油製品を違法に密輸入している」として中国とロシアの企業を黒幕に挙げた。昨年12月に採択された安保理の北朝鮮制裁決議は、北朝鮮に対する石油製品の供給量を年間50万バレルに制限している。

 米国は安保理提出文書で、北朝鮮が今年1月から5月まで計89回にわたり、海上で20隻以上の船を運用して、船から船へと積み替える「瀬取り」方式で石油製品を違法に取得したことを明らかにした。

 さらに、違法な積み替えに動員された船舶が正規の載荷量の3分の1しか積んでいなくとも年間上限ラインの50万バレルを超過し、載荷量の90%を積んでいた場合は上限の3倍近い136万バレルに達する、と指摘した。

 北朝鮮が既に輸入上限を超過していることから、全ての国連加盟国が直ちに北朝鮮に対する石油製品の輸出を禁止することを米国は要求したという。

 スティーブン・ムニューシン財務長官は12日、米国連邦議会下院の聴聞会に出席し、「北朝鮮に対する制裁を緩和する計画はなく、むしろその反対。北朝鮮制裁の効果で北朝鮮は交渉テーブルに出てきた」と発言した。

 新アメリカ安全保障センター(CNAS)でアジア太平洋セキュリティ・プログラムのシニアディレクターを務めるパトリック・クローニン博士も12日、ワシントンで開かれた討論会で「(米国で中間選挙が行われる)11月以降も北朝鮮が非核化のための重要かつ立証可能な措置を取らない場合、米国は最大の圧迫政策へとかなりのスピードで入っていくだろう」と語った。

 またAP通信は12日、「米国の情報機関は北朝鮮の金融、貿易取引ネットワーク、武器販売、労働者海外派遣などを調査しなければならない」という条項を含む諜報法案(intelligence bill)が、連邦議会下院を通過したと報じた。全100ページにもなるこの法案は、北朝鮮・ロシア・中国などの脅威に対応して情報機関に財政支援を行う条項が盛り込まれている、とAP通信は伝えた。

ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
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