戒厳文書:「光化門に戦車」「国会議員を逮捕」等の内容も

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 韓国大統領府が20日に公開した「戒厳対備計画細部資料」は、機務司令部(韓国軍の情報部隊)の「戒厳文書」([戦時戒厳および合捜業務遂行方案)の添付資料だ。文書の作成時期も昨年3月で同一。全67ページの資料で、段階別に対応計画・衛戍(えいじゅ)令・戒厳宣布・戒厳施行の4部に大別され、全21項目からなる。

 大統領府の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は「添付資料に『戒厳を成功させるためには、保安維持の下での速やかな(戒厳)宣布、戒厳軍の主要(交通)地点掌握など、先制的な措置を取れるかどうかが戒厳成功のカギ』と適示されている」と語った。機械化師団、機甲旅団、特戦司などからなる戒厳任務遂行軍を、夜のうちに戦車や装甲車を利用して、主要施設494カ所および集会予想地域たる光化門と汝矣島の2カ所へ速やかに投入する計画も含まれている。

 戒厳解除の決議を防ぐため、国会の議決に与党(当時。現在の自由韓国党)議員が参加しないようにし、国会議員を現行犯で司法処理して議決定足数に満たないようにする計画もある、と金報道官は伝えた。大統領が国家情報院(韓国の情報機関。国情院)の院長に対して戒厳司令官の指揮統制に従うよう指示し、同第2次長が戒厳司令官を補佐する措置なども含まれていたという。

 また金報道官は、メディア統制の場合について「戒厳宣布と同時にメディアの事前検閲を行う広報文と、報道機関ごとに戒厳司の要員を派遣する計画も作成されていた。戒厳司報道検閲団9個班が新聞・テレビ・通信および原稿刊行本の見本提出を受け、検閲する計画だった」と語った。

 与党側の関係者は「文書の内容から見ると、機務司固有の業務範囲を越えた越権の内容が多い」と語った。一方、韓国軍の関係者は「この文書が一線の部隊にも伝えられていれば戒厳実行計画とみなし得るが、そうでないなら単なる参考資料という可能性が高い」と語った。

チョン・ヒョンソク記者
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