北に不法入国して送還の韓国人男性、今度は車で検問突破し北へ

統一大橋を越えて北へ逃走し6キロ先で検挙、越北を企図か

 先月、北朝鮮に不法入国し、今月7日に板門店を通じて送還された30代の韓国人男性が12日、軍の検問を無視して民間人出入統制線である統一大橋の南端を越え、車で北朝鮮方面へと逃走して検挙された。韓国警察はこの男性について、越北を試みた可能性を念頭に置いて調査している。

 京畿北部地方警察庁によると、男性は12日午前7時30分ごろ、スポーツタイプ多目的車(SUV)を運転して統一大橋の南側入り口にある韓国軍の検問所を突破し、民間人出入統制線である統一大橋南端を越えて北朝鮮側へと逃走した。

 男性の車は、統一大橋の北端を通過した際に侵入防止用の有刺鉄板によってタイヤがパンクしたが、そのまま走行を続け、北朝鮮側に向かった。その後、統一大橋から6キロ離れた貯水池の近くで板門店共同警備区域(JSA)の警備隊によって検挙され、韓国警察に引き渡された。

 警察は男性の飲酒検査を実施したが、飲酒状態ではなかった。警察は男性が越北するつもりだったのか調査するとともに、韓国軍と協力して事件の経緯を調べる予定だという。

 男性は先月22日、中国側から北朝鮮に不法入国して摘発され、16日間にわたり北朝鮮当局に拘束されていたが、今月7日に板門店を通じて韓国に送還された。このとき北朝鮮の官営メディア、朝鮮中央通信は「7月22日に南側(韓国)の住民がわれわれ側の地域に不法入国し、該当機関に摘発された」として「不法入国者をわれわれは人道主義の原則に基づいて南側に送還した」と報じた。北朝鮮は前日の6日午前、朝鮮赤十字会中央委員会名義の通知文で、男性を板門店を通じて送還すると通知していた。

 韓国政府は、北朝鮮が通知文を送付するまで男性が北朝鮮に入国したことを把握していなかったという。韓国政府は男性に対し、当時の北朝鮮入国の経緯や目的などについて聞き取り調査を進めていた。

チョン・ヒョジン記者
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