8月14日は「慰安婦の日」、韓国で関連小説出版ラッシュ

「一人でも多く生きている時に望みがかなうように」

8月14日は「慰安婦の日」、韓国で関連小説出版ラッシュ

 今年初めて国の正式な法定記念日になった8月14日の「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」を前に、関連小説の出版が相次いでいる。

 最も活発に本を出版しているのが小説家キム・スム(44)だ。2016年の長編小説『一人』をはじめ、慰安婦だった女性たちの苦しみを小説にしている同氏は、別の慰安婦少女の人生を描いた長編小説『流れる手紙』を先月出した。1942年に「絹物工場に就職させてやる」とだまされて中国の慰安所に連れてこられた少女クムジャ。日本軍の憲兵が付けてくれた名前である「ふゆこ」として暮らし、自身のおなかに新たな命が宿っていることを知るところから小説は始まる。「お母さん、赤ちゃんに足が生えたようです。赤ちゃんがおなかをけりました。軍人が私の体の中に入ってこようとするからです。入ってくるな、入ってくるなと…」。数多くの死を目のあたりにして「死にたくないという気持ち」こそ一番強い生への意志であることに気付いた女性。同氏は「10代の時に一人の女性として、一人の人間としての尊厳を損なわれた方々の生涯を思うと、自ずと感情がこみ上げてくる。一人でも多くの方々が生きていらっしゃる間に、その方たちのひたむきな願いがかなうよう祈って、慎重を期してこの小説を出した」と語った。

 14日には、「証言小説」といわれている2作品を出す。金福童(キム・ボクトン)さん(93)の証言を一人称の小説にした『崇高さは私を覗き込む』と、吉元玉(キル・ウォンオク)さん(91)の証言に基づいた『軍人が天使になることを願ったことがあるか』だ。記憶が薄れている高齢者2人が苦労して語る話が、誇張することなく過去と現在を行き来して読む人の胸を痛める。「軍医が私に下衣をすべて脱げと言った。私が抵抗して立っていると、無理やり脱がせた。ブリキの塊が私の下にすっと入った瞬間、そこで雷が落ちたような気がした。私に何が起こっているのか分からなかった。ただ怖かった」(金復東さん)。「何かがほしいと願ったことはない。私は願うことを知らない。忘れてしまった。(中略)よしもとはなこ…その名前は覚えている。誰が付けたかは思い出せない…。軍人たちは私をそう呼んだ。意味はないだろう。何の意味もないだろう。意味もない名前が忘れられない」(吉元玉さん)。もう残された時間は長くないというのが、この小説を執筆するきっかけとなった。

 韓国系米国人の女性小説家メアリー・リン・ブラクト(Mary Lynn Bracht、40)初の長編小説『White Chrysanthemum』(白い菊)も慰安婦だった女性を描いている。日本軍に連行された少女「ハナ」を中心に、済州島の海女の家の姉妹2人が現代史の悲劇に見舞われる。韓国人の母を持つ同氏は電子メールによるインタビューで、「1991年に慰安婦被害を証言した金学順(キム・ハクスン)さんのことを知ってから、そうした女性たちの悲劇的な生活や社会での取り上げ方についてますます感情的に入り込むようになり、話を伝えなければいけないと思った」と語った。

 現在、政府に登録されている慰安婦被害者239人のうち、韓国国内での生存者は27人だ。

チョン・サンヒョク記者
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