ゲリラ豪雨後に大雨警報、韓国気象庁の「実況中継」に非難の声

 28日夕の帰宅時間帯、首都圏が予期せぬゲリラ豪雨に見舞われると、「気象庁は天気を予報する所なのか、それとも実況中継する所なのか?」という言葉が相次いだ。ゲリラ豪雨が始まっても「大雨注意報」を出さないため、会社員らは仕事帰りにそのまま豪雨の中を歩くしかなかった。気象庁は当時、「ソウルの一部地域に雨が多く降るが、今後1時間以内に次第に弱まるだろう」と予報していた、実際には雨は一層強くなった。予報を出すべき時に出さず、その上、後に間違った予報まで出したのだ。

 気象庁によると、28日午後6時40分ごろ、ソウル市道峰区には雨が3時間で69ミリメートル降った。江北区66ミリメートル、恩平区も60ミリメートルを記録した。車のワイパーを目いっぱい作動させても前がよく見えないほどだった。気象庁は「大雨注意報は3時間の雨量が60ミリメートル以上、大雨警報は90ミリメートル以上に達すると予想される場合」発令する。既にソウル市内の3区で雨が激しく降り、基準を上回っていたのにもかかわらず、注意報はとうとう発令されなかった。

 1時間後の午後7時40分には道峰区の3時間の雨量が82ミリメートルを記録した。大雨警報発令基準(3時間で降雨が90ミリメートル以上予想される時)寸前まで行ったのだ。3時間で恩平区78ミリメートル、道峰区でも77.5ミリメートルとなり、金浦市・江西区・恩平区でも1時間の降水量が32ミリメートルを上回るほど雨がひどくなった。気象庁はこの時になってやっと「大雨警報」を発令し、「土砂崩れの可能性があるか、常習的に浸水が発生する危険地域では避難する必要がある」「一般家庭でも外出を控えるなど、安全に留意すべきだ」と発表した。大雨注意報・警報は、雨の被害を防ぐため市民にあらかじめ知らせ、余裕を持って備えるように呼びかけるものだが、仕事帰りの人々がゲリラ豪雨に見舞われている最中に警報を発令したということだ。このため、「そのような大雨注意報・警報なら、一般市民でも発令することができるのでは」という非難の声も一部から上がっている。

 これに対して、気象庁は「猛暑注意報・警報などと違い、突然降る集中豪雨は降水量を予測するのが非常に難しく、大雨注意報・警報を実況に近い形で出すのは先進国の気象庁も同じだ」と反論している。また、「28日夕に北上すると見られていた雨雲の帯が午後7時前後に首都圏に再び南下したことで、予報が難しかった」とも気象庁では主張している。気象庁のユ・ヒドン予報局長は28日夜、記者らにあてたテキストメッセージで、「(ゲリラ豪雨は)当惑という程度を通り越して、あ然としてしまうほど想像していなかった現象だ」と説明した。

イ・ギフン記者
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