【コラム】文在寅政権の「一人飯」

 ある記者が「晩さんというのは客を招待して一緒に食べることではないのか」と質問すると、金宜謙報道官は「そのような意味の晩さんは予定になかった」と答えた。前日までとは違い、特使団だけの事実上の「一人飯」だったことを告げなければならなかったため、さぞかしきまりが悪かったことだろう。

 大統領府は「今回の特使団訪朝は成功だ」と言った。文大統領も「特使団(派遣)の結果は本当に素晴らしいことだ。期待していたよりもはるかに良い成果を持ち帰ってきた」と言った。だが、特使団に対する北朝鮮側の待遇は期待に遠く及ばないのでは、という疑念は消えない。その結果が「一人飯」という形に現れている可能性が高い。

 昨年12月に文大統領が訪中した時も、大統領府は「一人飯」騒動が降ってわいた。文大統領は4日間にわたり中国を「国賓」訪問したが、10回の食事のうち中国側関係者と共にしたのは2回だけだった。このため「外交冷遇論」が起こると、大統領府側は「食事を一緒にしなければ意味がないのか」「形式が簡素でも、内容さえ充実していれば、それが首脳会談の成果だ」と言った。

 しかし、外交では形式が実質的な内容を反映していることが多い。盛大な儀典行事まではしなくても、「一人飯」せざるを得ないほど放っておくのは、会談相手に対して明らかに礼を欠いている。文在寅政権の相次ぐ「外交での一人飯」は、対中外交・対北朝鮮政策への警告かもしれない。政府はこのことから何とかして目を背けようとするのではなく、相手の本音を冷静かつ徹底的に見極める契機にしなければならない。

政治部=金真明(キム・ジンミョン)記者

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