南北首脳会談に同行すべきか、頭を抱える韓国財界

 「行くと言うなら仕方なく同行するが、まだ対北朝鮮制裁も解除されていない状況なので、米国のウォッチリスト(監視リスト)に載らないか心配だ」

 任鍾晳(イム・ジョンソク)大統領秘書室長は10日、平壌で開かれる南北首脳会談について、「経済人もぜひ同行してほしい」と発言したが、大企業は困惑している。北朝鮮に行けば、米国に目を付けられ、行かなければ、韓国政府に目を付けられるというジレンマに陥っているわけだ。財界は大統領府(青瓦台)のユン・ジョンウォン経済首席秘書官が11日に大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会頭、12日に朴成沢(パク・ソンテク)中小企業中央会会長と非公開で会談後、春情会談の特別随行員の最終リストが確定するとみている。

■行くことも行かないこともできない企業

 ほとんどの大企業は特別随行員の名簿に載らないことを望んでいる。ある財界幹部は「国連の対北朝鮮制裁だけでなく、米国の独自制裁も多いため、米国でビジネスをしている企業は当然神経を使う。具体的に北朝鮮への投資や北朝鮮との取引を行わなくても、米政府のウォッチリストに載れば、いろいろと不便で悪影響を受ける」と懸念した。対北朝鮮制裁が実施されている状況で、CEOが訪朝し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会えば、米政府の公務員は当然注目するとの見方だ。10大企業グループの幹部は「北朝鮮との関係が常に良好であるはずはない。悪化すれば訪朝の事実はリスクとして跳ね返ってくる」と話した。

 だからといって、「行かない」と拒絶することもできない。20大グループの大半が検察、警察、公正取引委員会、国税庁などによる捜査や調査を受けているからだ。企業は国際社会と政府による制裁が緩和されなければ動けないのだが、青瓦台が同行を求めて圧力をかけてくることには不満が強い。財界関係者は「こうした状況で企業関係者を連れていくことは、企業を対北朝鮮制裁緩和に動員するためではないかとも疑われる」と指摘した。

 時間が差し迫っていることも障害だ。大企業のCEOは少なくとも1カ月前には主な出張日程などが決まるからだ。大企業役員は「いくら大統領の行事でも1週間もない状況で突然行こうと言いだすのは、政府によるパワハラだ」と漏らした。

李性勲(イ・ソンフン)記者
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