【社説】板門店宣言批准同意案、費用は「10兆円」と正直に言うべき

 韓国政府が11日、今年4月27日に発表された「板門店宣言」の批准同意案を国会に提出した際、その履行費用として今年から来年にかけて税金6438億ウォン(約636億円)が必要だと推算した。2年間で国民の税金6438億ウォンというのはとてつもない額だ。しかし、金融委員会は板門店宣言に含まれている北朝鮮インフラ投資費用を鉄道85兆ウォン(約83億8000万円)、道路41兆ウォン(約4兆430億円)など、計153兆ウォン(約15兆830億円)と推算しているし、金融投資企業の未来アセットも112兆ウォン(約11兆440億円)と予想している。このように100兆ウォン(約10兆円)以上かかると見られている対北朝鮮支援について、その100分の1にもならない金額を提示して国会に同意を求めるのは、事実を隠すものだ。少ない額を提示してひとまず国会の批准を受けた後、本当の額を国民の税金から出そうとしているのではないのだろうか。

 国民に重い財政負担を与える協約について国会の批准を受けるには、まずその内容が具体的でなければならない。そうしなければ国民が承認すべきか否かを判断できない。それにもかかわらず、大統領府関係者は来年の推計までしか提示していない理由を「南北関係に基づいて費用が変わる可能性があるため」と説明した。事実、その通りだろう。そうなると、政府は板門店宣言履行に正確にどのくらいかかるか分からないまま、国会批准をせかしていることになる。国会が批准できる基礎の部分からして成っていないということだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は板門店宣言の国会同意を野党に呼びかる際、「党利党略は前面に出さないでほしい」と言った。具体的な推計も難しいほどの税金がかかる批准同意案に野党が反対すれば「党利党略」になるのだろうか。非核化の進展も不透明な状況で、多額の税金を北朝鮮につぎ込もうというのは、自分たちの考えや理念だけを絶対的な善だと考える党利党略ではないのか。現世代と将来の世代に大きな負担をかける政策に何が何でも従わせるようなことはしてはならない。

 北朝鮮支援は必要である。いつか南北が統一された時、立ち遅れている今の北朝鮮は韓国にとって大きな負担になる可能性があるからだ。悲惨な状況にある北朝鮮住民を助けることは我々の義務でもある。ただし、それには我々を抹殺することもできる核爆弾を一発残らずなくさなければならない。その前に北朝鮮に金銭を与えれば、それは「核という人質」を招くことになる。板門店宣言国会批准は、北朝鮮の核廃棄がきちんとした実践段階に入り、元に戻ることがなくなったと判断された時に初めて可能となる。それも、金を払う韓国国民の前にいくら必要なのかを具体的に提示しなければならない。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース