【萬物相】韓国の出産率、公務員家庭は一般家庭の2倍

【萬物相】韓国の出産率、公務員家庭は一般家庭の2倍

 つい先日、2人目の子供を産んだ女性検事がさらに3カ月の休暇を取り合計1年間の育児休暇に入った。1人目を生んだときも出産休暇、育児休暇を合わせて10カ月休んだそうだ。今後も1人目が学校に通う前にもう一度1年の育児休暇を申請する予定だという。ソウル中央地方裁判所では10年前から統合部という部署を運営している。出産のために休暇を取る女性裁判官の空席を埋めるため、合議審の裁判官を通常の2人から3人に増やした裁判官制度のことだ。裁判官や検事の中で女性が占める割合が30%近くに高まったことで生じた変化だ。この制度のおかげか分からないが、裁判官は子供が2人以上いるケースが結構多い。

 2016年に一般国民1000人が生んだ新生児は14.5人だった。これに対して中央政府で働く公務員は32.7人、地方自治体の公務員は30.7人だった。公務員は定年が保障されており、年収も一般企業に比べて高く、しかも定年退職後の年金も民間より多い。さらに出産休暇や育児休暇を取る場合も周囲の目を気にする必要がない。

 公務員が多く住む世宗市は全国で出生率が最も高い。この地域のオリニチプ(保育園)は国公立が全体の94%を占める。オリニチプは夜も働く公務員のために通常は夜10時30分まで子供たちの面倒を見る。世宗市は2016年に女性家族部(省に相当)から「女性親和都市」として認定を受け、17年にはユニセフ(国連児童基金)から「児童親和都市」の認証も受けた。市は妊産婦のためのヨガ教室も運営している。

 韓国の新生児数は昨年35万人台にまで減り、合計特殊出生率も1.05人に低下した。さまざまな形の補助金、児童手当、ミルク代、おむつ代の支援など政府による少子化対策は今や2000種類を上回るという。ところが仕事を持つ女性たちにはどれも「絵に描いた餅」だ。中小企業に勤務する女性や非正規職の女性たちは子供を産めば仕事を辞めるケースが多く、また夫や家族の支援なしに一人で子供を育てる女性たちは、子供がある程度大きくなってから仕事に復帰しようとしても、時給の安いアルバイトしかない。

 つい先日、保守系野党・自由韓国党の院内代表が「子供1人に2000万ウォン(約200万円)を支給する出産主導成長論」をぶち上げ話題になった。あり得ない主張のように聞こえるが、一方でこの国では世界最低の出生率が深刻な問題になっているのも事実だ。ただし公務員に限れば出生率が2倍になっているのを見ると、子供を育てる条件さえ整えば、生むなと言っても子供が生まれてくるのは間違いない。自分たちが支払う税金が公務員の給与になっている一般国民は苦しい生活を強いられ、子供を産んでも育てるのが大変な状況だ。しかし税金で生活する公務員は手厚い保護を受けているため出産率も高い。これでは誰もが公務員になりたいと考えるのも当然だろう。

鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)論説委員

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