【社説】文大統領が職業活動家の赦免を予告、これこそ「壟断」ではないのか

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、済州海軍基地建設に反対し違法な抗議行動を繰り返した活動家たちに対し、判決の確定を待って赦免や復権を積極的に検討する考えを示した。その際、文大統領は海軍基地建設について「国の安全保障のためとは言え、民主的な手続きの正当性を守るべきだったが、それができなかった(のが原因)」との理由をあげた。済州海軍基地建設は2007年に当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が決めたことだ。韓国における海上輸送のほぼ全てが通過する南側海域を守るのがその目的だった。その後は地元住民の合意、済州道民へのアンケート調査、道議会における同意、生態系への影響などに対する調査、裁判所の判決などの手続きが進められた。地元の江汀(カンジョン)洞住民も集会などを通じて海軍基地の建設を認めた。つまり手続き上は何の問題もなかったのだ。

 ところが後になってそれまで韓国国内で反米・反政府デモなどを行ってきた活動家集団が介入し、問題が複雑になった。全国から集まった職業活動家たちは5年近くにわたり過激で暴力的な違法デモによって工事を妨害し続けた。文大統領が代表を務めていた当時の民主党もこれに加わった。その結果、工事の遅延に伴う建設会社への賠償金273億ウォン(現在のレートで約27億円)を税金で支払うことになった。しかし文大統領はこれを「政府の責任」と強弁し、判決が確定する前から活動家たちを赦免すると言っているのだ。

 江汀洞における違法デモでは611人が起訴され、うち460人以上が有罪が確定し、110人は今も裁判が行われている。その中で地元住民はごく少数で、ほとんどが職業活動家たちだという。また赦免を行うにしてもまずは判決が確定しなければならないが、大統領府報道官は「大法院(最高裁に相当)が迅速に審議を行えば、判決に合わせて赦免・復権が行われるだろう」と述べた。これは早く裁判を終わらせるための圧力以外の何ものでもない。判決に関わりなく最初から赦免されることがわかっているなら、裁判所など必要ないし、裁判もやる必要がない。つまり大統領府は明らかに赦免権を乱用しており、司法を無視している。これこそ司法への介入であり壟断(ろうだん)ではないのか。

 今後この問題以外の違法デモに関係した活動家たちも赦免される可能性が高いという。彼らに対して政府が訴えた損害賠償訴訟はすでに取り下げ、あるいは取り下げの圧力を受けている。彼ら職業活動家たちは現政権にとって大切な支持勢力だ。政権が変われば彼らは大規模な反政府デモを行い都心を無法地帯にするだろう。暴力デモを行う過激派と政府の共存などあってはならないはずだ。

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