【コラム】岐阜・高山の英語ガイド

【コラム】岐阜・高山の英語ガイド

 10月9日、岐阜県の山間都市である高山を訪れた。曲がりくねった山道を3時間ほど行くと、バスターミナルに到着した。すると、70代くらいのガイドが近付いてきて「メイ・アイ・ヘルプ・ユー」と英語で話し掛けてきた。観光案内所には、英語、アラビア語、ヘブライ語など、11言語で作成されたパンフレットが置かれていた。

 「古い町並み」まで10分ほどの道のりを歩く間、日本の伝統衣装である「ハッピ」を着た日本人が、20-30メートル間隔で立ち、英語で案内してくれた。商店街の従業員は、英語の単語を懸命に組み合わせながら、外国人を相手に菓子や伝統工芸品を販売していた。

 英語で案内する老舗旅館のオーナーに「どうやって英語を学んだのか」と尋ねると「10年前から市役所が主催する英語講座に通っている」との回答が返ってきた。日本は、東京のマクドナルドでも「コーヒー」(日本式の発音)と発音しなければならない「英語の通じない国」だ。ところが、極端な山奥であるにもかかわらず、ここでは英語がよく通じた。

 高山がこのように変化したきっかけは、「町消滅の危機」からだった。約10年前、日本の多くの地方都市のように人口が減り、商店街が一時の活況を失うと、働き口を失った青年たちは町を後にした。こうしていては町そのものが消滅してしまうのではないか、という恐怖が押し寄せてきた。その活路を外国人観光客の誘致に求めた。いわゆる「1対8の法則」を突破口としたのだ。高齢化と低出産で国民1人が減ると、1年に120万円の消費が消える。しかし、1回の訪問で1人当たり15万-16万円を使う外国人観光客を8人誘致すれば、1人の成人人口が生じるのと同じことになるのだ。

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