中国企業に引き抜かれ、使い捨てられる韓国IT人材

2年間でDRAM生産に成功、技術確保後は使い捨て

 サムスン電子でメモリー半導体の設計を担当していた元常務が昨年夏、中国の国有半導体メーカー、合肥長キン(キンは金を上に1つ、下に2つ並べた字)に移籍していたことが分かった。

 A元常務は2000年代にDRAMのナノメートル設計を担当し、10年代に入ると、40代の若さで常務に抜てきされた有力人物だ。A元常務は昨年末、サムスンSDIにマーケティング担当として異動を命じられたが、数カ月後に一身上の理由で突然退職願を提出したという。サムスン関係者は「中国の半導体メーカーに転職したといううわさは聞いていた。確かな技術流出が認められないため、法的対応までは考えていない」と話した。

 韓国経済を下支えしている半導体、ディスプレーなど技術分野で、キーパーソンを引き抜くための中国企業の動きがますます露骨になってきている。中国企業が一気に技術格差を狭めるため、無差別的な「人材ハンティング」に乗り出した格好だ。サムスンのA元常務が移籍した合肥長キンは、安徽省合肥市政府が出資する国有企業で、清華紫光集団(清華ユニグループ)、福建省晋華集成電路(JHICC)と並び、中国政府の半導体崛起(くっき)政策の先頭を走る企業だ。合肥長キンは今年7月からDRAMの試作品の生産を始めたと発表している。

 合肥長キンが過去2年間で引き抜いた韓国の技術人材は50人余りと推定される。SKハイニックスでDRAM生産グループ長を務めたB常務も合肥長キン設立初期の2016年に移籍したとされる。

 半導体業界関係者は「半導体の中核的人材が50人いるだけで、DRAM製造プロセスの構築を画期的に短縮できる。どんな半導体生産設備を使うのかが分かるだけでも工程の全体像を描きやすくなる」と指摘した。

ソン・ホチョル記者 , 朴淳燦(パク・スンチャン)記者
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