【コラム】戦時作戦統制権、何のための韓国移管か

【コラム】戦時作戦統制権、何のための韓国移管か

 自分の立場でだけ先走って騒ぐのは実におかしい。少し前、韓米の国防相間で行われた「戦時作戦統制権(統制権)移管」交渉もそうだ。

 各報道機関が満足の気持ちを込めて「今後は韓米連合司令部タイプの指揮構造から、司令官は韓国軍、副司令官は米軍…」という合意の大筋を報じた。「米軍は他国の軍人に指揮権を渡さない」という原則の例外が唯一適用され、「それほど韓米同盟が堅固だという証拠」という国防部(省に相当)関係者の言葉も付け加えられた。

 外見上は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が望む通り全て実現した。「統制権は自主国防の核心で、主権国家の花。韓国は統制権を持っていない唯一の国」とずっと宣伝していたので、今回の合意に文句をつけるのは難しい。

 それでも、事実関係と内幕を知る必要はある。統制権移管を初めて切り出した人物は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領だった。事前調整なしの発言に、米国側は不快な反応を示した。だが実務交渉に入ると、むしろ米国側の方が統制権移管に積極的だった。当時の交渉に参加していたある予備役軍人は「米国側が、2年後の2009年に持っていけと言ったときにはびっくりした」と語った。米国が気軽にそうやって出してくれるとは思わなかったのだ。

 そのときから韓国は「まだ準備ができていない。時期を遅らせてほしい」と守勢に回ったという。そうして12年4月17日まで延期された。盧武鉉政権らしく、日付にも意味を付けた。6・25(朝鮮戦争)の戦乱の中で李承晩(イ・スンマン)大統領が統制権を国連軍司令官に渡した1950年7月14日を逆さにしたという。

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